イスラームのロジックの終わりに

私の紹介はクリスチャンの人たちなどには、
不快感を与えたかもしれない。
しかし、宗教としてそれを非難していない。
圧倒的非対称に対するいかりがあるだけである。
ちなみに板垣先生は、過去のキリスト教との、
様々な行為やイスラエルについて散々な批判をしておられたが、
ご自分はクリスチャンであった。

図書館から借りた本が優先なのでまだ読んでないが、
先日「日本はなぜ、基地と原発を止められないか」
矢部宏治著を買った。
沖縄の上空は100パーセント米軍の支配下にある。
米軍機が飛ばない唯一の空が、アメリカ軍の住宅の上空である。
我々は地位協定という日米間の条約によって、
完全にアメリカに支配されている。
これは日本国憲法より強いのである。
本土でも同じである。

私のイスラームに対する入れ込み方が強すぎるというなら、
それは同病相憐れむという親近感であろう。

「イスラームのロジック」7

もちろんアラブ世界といえ、一様ではない。
ムスリムの国でもトルコのように、
西洋型の国家形態を持ち、EUに入りたいところもある。
(なんだかんだ言って入れてくんないけど)
油が絡んでくると、アメリカと仲良しになったり、
地理的にロシアとヨーロッパの間に当たるので、
ロシアとの関係も微妙にある。
日々こくこくと状況はかわり、とてもわかりにくい。
ただ、あまりにも世界は非対称である。
そのことだけは、日本にいても認識したいし、
間違った先入観や偏見を持ちたくない。

アラブという言葉の語源は、
遊牧民ベドウィンのことだと、言われている。
ラクダを育てそれを売り買いし、また隊商として、
商売や流通にかかわる。
以前読んだソマリアの本を思い出した。
ソマリアはアフリカだが、海を挟んでイエメンの向かいっ側で、
もともと遊牧民の国。(イエメンでもカートを食べるらしい)
遊牧民気質みたいなものがなんとなくわかる。

ハサン先生のこの本はイスラームの神学の部分は、
難しくて手が出なかったが、そのほかは、
案外読みやすく私が求めていたタイプの本であった。
わかりやすく面白く紹介しようと頑張って見たが、
なかなか難しかった。

おしまい
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@Minzokubot: 19世紀初頭に撮影された若いベドウィンの男性。
現在のパレスチナ周辺で撮影されたとされている。 http://t.co/qxRHem832R

「イスラームのロジック」6

イスラームには国家という概念がない。
シャリーアという法体系とクルアーンという、
預言者ムハンマドによる、アッラーフの教えの書によって、
宗教の戒律と社会規範、法律が一つになった宗教である。
そしてムスリムは唯一神と一人でむきあう。
そこには国家の入る余地はない。
そういう一人が集まったムスリム共同体「ウンマ」
というものを理想としている。
ムスリムを脅かすものとは戦いも辞さない。
このジハードという聖戦が暴力的と言われるが、
これは少なくとも防衛的なたたかいである。

アメリカ大陸で殺された先住民は、7000万人にのぼる。
ヒットラーも真っ青である。
これはキリスト教信仰の「学者、僧侶、商人」
の三位一体によって、遂行されたものである。
「民衆のアメリカ史」の最初にこれが出てきて、
私はすっかり萎えてしまったのだが、
先住民は無防備で友好的ですらあった。
このことを悪びれることなく新大陸の発見と呼ぶ。

そして今も、新三位一体「知識人、宣教師、起業家」
によって世界制服がすすめられている。

「イスラームのロジック」5

いまでも、詩作や、詩歌を朗読したりすることが、
教養として高く評価されている。
かつて読んだ本の中にも、お客を呼んで食事をしたおりなどに、
皆で詩を楽しむ様子が書かれていました。
この本の中にも、イランの最高指導者ホメイニ師の、
自作の詩が紹介されている。
この文化的土壌が問題になる。

「我々は、西洋文明というと、ユークリッドやアルキメデス、アリストテレスくらいははじめから知っていた、早くからギリシャ科学やギリシャ文明はヨーロッパに入っていただろうと思いがちなんですね。特にヨーロッパの学者はギリシャ以来三千年の西欧文明と言うわけですがとんでもないことです。(中略)12世紀になってはじめて、彼らはアラビア語を一生懸命勉強してアラビアの科学や哲学の文献をラテン語に翻訳するそういう大運動を起こしまして、その後の知的基盤を獲得することになったのです。」伊東俊太郎からの引用

このことは先日インタビューをみた
板垣先生もおっしゃっていたことでした。
板垣先生のお名前もこの本にちらっと紹介されています。(まあ好意的に)

「むしろイスラームこそヘブライニズムとヘレニズムの正当な継承者なのである。西欧はヘブライニズムの正当な後継者たる「キリスト教徒」ヘレニズムの遺産たる「文明」の担い手としての自己のアイデンティティーを確立するために、どうしても一旦イスラームを「邪教」「未開」として否定し、貶めねばならない内的必然性があったのである。」

まさに歴史修正主義である。
わが国のソーリーを筆頭にしたネトウヨ思考、
現在爆発中の嫌中韓本の嵐を思わざるを得ない。

人は過去の事実を捻じ曲げてでも、
自己の優越性を誇りたいものなのか…

「イスラームのロジック」4

私は無信心なものであるが、イスラム教には思いのほか、
違和感を感じなかった。
はるか彼方にアッラーフという唯一神がいる。
アッラーフの神様としての完璧さは、
私が普段使いに、美しい花や鳥を見て、
「神様はすごいなぁ」なんて風に思う時の、
神のイメージに割と似ている。

またアッラーフの教えを代弁する預言者ムハンマドは、
普通の人間の正直な商人だった。
40歳の頃、啓示を受け、預言者稼業に入るのである。
驚くほど現実的な伝記が残っていて、実在した感半端ない。

ムハンマドの啓示の書クルアーンには、
奇跡の記述がないのも特徴である。
ムハンマドはイエスのように足萎えを歩かせたり、
モーゼのように海面を歩いたりしない。
ムハンマドの時代のアラブは詩を尊び、詩才を褒める、
社会であったため、クルアーンの詩的韻律の美しさ、
文学としての質に高さが、奇跡的であると、
人々の信仰を集めたともいう。

「イスラームのロジック」3

イスラーム世界は、
確かにかつてはヨーロッパにとって脅威であった。
オスマン帝国の1683年から99年にかけての、
神聖ローマ帝国との戦いの敗北を境に、
立場が逆転する。
イスラームの世界は西欧列強ロシアに、
アジアでもアフリカでも次つぎと植民地にされ、
20世紀初頭に独立を保っていたのは、
トルコ、イラン、サウディ・アラビアのわずかに三カ国だけとなる。

ヨーロッパによる植民地化は、
経済的収奪、政治的抑圧にとどまらず、
ムスリムの抹殺に及んだ。
イスラーム研究者は、イスラームの無力化、
ムスリムの殲滅政策に、中心的役割を果たした。

第二次世界大戦後に起こる独立の機運と共に、
各地の植民地が独立を遂げた。
それは喜ばしいことと、いままで私は思っていたが、
独立は自立性の取り戻すことかといえば、
そうではないと知らされた。
西欧の主権国家の概念は、
複数の主権国家が互いに「独立」を承認し合う
というシステムが前提になっている。
承認は、組み込まれることを意味する。
近代化=西欧化=イスラーム殲滅を、
受け入れることに他ならない。

そして今現在イスラーム世界で起きていることは、
この内なる植民地化からの脱却を求める、
ムスリムの抵抗運動であるのだろう。

「イスラームのロジック」2

本は現代についての認識からスタートする。

「我々は「現代」を、科学、ハイテク、消費、平等、民主主義、自由、
脱産業化、IT化、グローバリゼーションと共に「自由で豊かな」世界として描くが、
「豊かな社会」は世界の半分の飢えを作り出すメカニズムによって成り立っている。
世界人口の20パーセントが商業エネルギーの80パーセントを消費する。」

残りの世界に、後進、未開、野蛮、貧困、抑圧、不平等、独裁を、割り振り、
これらの事実を意識化に隠蔽し一瞥もくれないというシステムこそが、「現代」である。

この光り輝く豊かさの反対側、
〈闇〉を引き受けているのが、
共産主義崩壊後、西欧文明の唯一の競合者となった、
イスラム世界である。

「イスラームのロジック」1

まずこの本の著者について。
ハサン中田先生は〈イスラム国〉がらみで、
すっかり有名になってしまいましたが、
この本はそれ以前に書かれたものであり、
私も簡単にああこう言えるほど理解できていないので、
それについては触れません。
私が別のところで読んだものによれば、
先生は高校時代にすでに、イスラム教に興味があったか、
もしくはすでに、信仰を持っておられたようです。
東大の文学部イスラム学科の一期生です。
(現在我が国の大学でイスラムについて勉強できる場所は三カ所だけ)

中国にはウイグル自治区などにイスラム教徒は居ますが、
東の方には来なかった。
朝鮮半島にも伝わらなかった。
従ってイスラム教は日本にまで到着しませんでした。
主に明治以降、初めからヨーロッパの言語を介して
はいってきたのです。
そしてその欧米のイスラム学は、
イスラームを攻略するために始まったものと言います。
この本の表現によれば、
「西欧キリスト教世界のイスラームに対する
根深い敵意と蔑視が刻印されている」ものでした。

現代でもアラブ世界のニュースは、
ほぼアメリカ経由のものです。
日本人のイスラムに関するイメージは、そういうもので、
ほぼ形づけられていると言えます。
それが現状認識です。


「イスラームのロジック」いいよ。

「イスラームのロジック」まだ途中ですが、
すごくいい本です。
絶賛の書評を見たのですが、
予想通りというか、超える充実した本です。
講談社選書メチエというシリーズで、
一般向けに書かれているので、難しくないし、
分量も手頃です。
ただ実に重要なことが、さらさら出てきてどんどん進む。
もっと詳しく説明してよという感じです。
イスラームを見ることで、世界が見えてきますし、
日本のことも見えてくる。
これは、読んで損はない本です。
ハサンセンセイ、しゅごい!

後日改めてマジで紹介します。

方南図書館いける!

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永福に比べて中近東アジア地域の本が、
ずっと充実しておってびっくりした。
まあ、永福に比べてだが…
ついでに同志社のナイトウセンセの本と、
犬につられてアフガニスタンの本を借りた。


まだまだ面白そうな本がある。
これからは少し方南町を攻めてみるか。

図書館で発見!

「イスラームのロジック」はあっさり、
図書館にありました。
いつもの私御用達の永福にはないのですが、
方南図書館にあるので、後ほどそっちに行って、
借りてこようと存ずる。

今日はまたまた味噌を作らんといかん。
いま豆をにちょる。

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塩豚は水菜のおひたしと、
ドロドロ麹醤油でいただく。
マジやばい。

イスラム教についてのその後

今朝の朝日新聞に、
ハサンセンセイのお話が出ているというので、
セブンイレブンで買ってきた。
私はハサンセンセイの話は結構納得できるのである。

イスラム国が残虐だということだが、
日本でも盛んにそう方面の論調である。
しかし、少なくともアメリカやNATO諸国は、
そんなこと良く言えると思う。
人殺しは世の中の取り返しのつかない行為の代表である。
ナイフで切ろうが、ネクタイで締めようが、
ピストルで撃とうが、ミサイルで吹っ飛ばそうが、
取り返しのつかないという意味では、
全く同じことである。

私には残酷の意味がよくわからない。
いま「アラブの歴史」というみすずの本を読み出したが、
ハサン中田センセイの著書を読んでみようと思っている。
これをどっかでみつけたいんだ。
『イスラームのロジック―アッラーフから原理主義まで』中田考
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