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信頼感

図書館から借りてきた本のうち一冊は、
途中でやめてしまった。
プリモレーヴィのインタビュー集であったが。
本自体に信頼感を持つことができなかった。

まず読み出してすぐに、
「間髪なしに」という表現が出てきた。
これはないだろうと思った。
今回一応調べて見たが、
間髪を入れずというのは元々漢文の一節で、
「間 髪を 容れず」(容れずが本来の形らしい)
このまま慣用句として使われており、
間髪と言う名詞は存在しえない。
次は、最初から最後まで常にと言う意味の、
「終始」が「終止」となっている誤植。
ま、他にも有るのだが、
一番問題だと感じたのは次のようなことである。
作家に対するインタビューなので、
度々レーヴィの著作の話が出てくる。
彼の最もたくさん読まれている本の名前は、
日本では「これが人間か」と言うタイトルで出ているものである。
この本が話題に出て来るたびに、
「これが人間であるか」と書かれている。
訳者は原題に合わせたと書いていたが、
最も古い旧題「アウシュビッツは終わらない」を、
外したのはそれで良いと思うが、
〈である調〉に変更して、
より原題にそうようになったかははなはだ疑問であるし、
そう言う話だけにとどまらない。
本と言うものは一冊の独立したものではなく、
その本を通して読者の世界を広げて行くべきものである。
正確な題名で表記することで、
読者はその本にアクセスすることが可能になる。
訳者がその題名が好きか嫌いかは全く関係がない。
今出版されているそのままのタイトルで表記することは、
常識ではないか。
そういう意味で著者や出版社に対して共感が持てなかった。
わたしのプリモレーヴィに対する信頼はすでに、
確固たるものであるので、
そこは揺らぐことがなかったのは幸いである。
そう言うことすらあり得ると言うのが、
本の恐ろしさである。

「これが人間か」のイタリア語の原題
Se questo e un uomo
(動詞eの上にアクサン)
「プリーモ・レーヴィは語る」
多木陽介訳  青土社刊
2020年03月20日 | Comments(1) |

続き

あまりにも説明不足であったのでもう少し補足する。
本のタイトルの、「逃亡に非ず」については、
夜中に叩き起こされ、
ごく短時間で赤軍の要求に応じるかどうか判断を迫られた。
獄中でニュースを知ることもできなかったのに。
何か質問しても刑務所の偉い人も何一つ答えられないのに。
藪から棒過ぎる。
これを断れば人質になっている飛行機の乗客が、
殺されるかも知れないと聞かされ、
その一点で行きますと答える。
にもかかわらず、その時のメディアは一斉に、
泉水は逃亡したと書き立てた。
この時の怒り、
裏切られたと言う思いは想像を絶するものである。
また、泉水氏が国外に出たはずなのに、
今また収監されているのは、
フィリピンにいる時に偽造旅券に関わったとして、
また逮捕されたからである。
そもそもその前の最初の殺人事件に関しても、
彼は全くやっていない。
仲間が彼が席を外した間に犯行に及び、
彼は興奮状態のその人の頬を張ってやめろと言っている。
にもかかわらずこの主犯の人が自殺して、
何故か泉水氏が一切の罪をかぶることになる。
もう次々と不条理が上乗せされて行き、
現在もなお理不尽な目にあっているわけである。

今の方が状況が良くないと言うのは、
事件当時泉水のお兄さんに、警察や新聞社の人が、
出国の見送りに間に合うように、
配慮してくれたことなどについての、
私の感想である。
また近年再審請求の出ている人の、
死刑を執行したり、いきなりオウム関連の執行など、
おかしいことが多過ぎるという、
私の感想である。
入管についても状況は最悪である。
日本という国があらゆる分野で、
劣化退行しているように思える。
本の中の泉水氏の言葉は、
ほとんどが弁護士さんなどへの手紙の文章だが、
大変立派な文章であり、
その考え方も筋の通ったものである。
こんな不条理な目に遭うべき人ではない。
私は何もできなくて申し訳ないが、
ぜひ一日も早く出てこれるように祈っている。
2020年03月12日 | Comments(0) |

「松下竜一その仕事」

「怒りていう、逃亡には非ず」
を読みました。
泉水博と言う現在服役中の人の話。
ダッカ人質事件で赤軍から交換条件として、
解放を要求され、超法規的に、
当時刑事事件で収監されていた刑務所から出て、
日本赤軍に合流した人である。
この本は最近私の読書友達になった、
Y田さんから教えてもらった。
私はもともと刑務所などの拘束施設が気になって、
いろいろ読んだりしていたが、
今世界で連載もしている、
坂上香さんのプリズン・サークルについてメールした時、
返信で話に出た本である。

この泉水さんと言う人は本当に数奇な運命を辿った人だ。
全く政治的背景もなかったのに、
刑務所内で病気になった人を助けるために、
捨て身の抗議をしたと言うそのニュースが、
赤軍に伝わったことが人選に繋がった。
飛行機の乗客を解放するためと言う信念で要求に応じた。
事前に全くお互いを知らないのに、
合流した革命家たちと次第に気持ちを通わせていく。
人々の印象は違うと思うが、
革命を目指す人達は元々、
権力を持たない人の味方になろうと言う気持ちを持った人達で、
時代遅れなほど優しい一面がある。
泉水さんを仲間としてリスペクトしている様子が、
うかがわれる。

この本には、尊敬する弁護士安田さんや、
以前獄中歌集を読んだ大道寺将司氏や、
すっかり私をげんなりさせた広河さんなど、
いろいろ出てくる。
人質事件の全容が知れてよかったし、
転び公防の本物も出てきて、いろいろ興味深かった。
検察や警察や刑務所、メディアの実態は確かに酷いが、
もしかして今の方が良くないかも知れない。
現在死刑を執行する権限のある法務大臣が、
壊れていると話題の彼女である。
実に恐ろしい国である。
この「やま」の本の紹介記事で偶然出会ったのに、
Y田さんとは本の好みが妙にあう。
あまりないことなのでとても嬉しい。

松下竜一著 河出書房新社
2020年03月12日 | Comments(0) |

「わたしは英国王に給仕した」読了

チェコの小説を読んだのは初めてなのかどうかも、
よくわからないが、
「わたしは英国王に給仕した」を読み終えた。
もともとロシアには興味があったし、
近所にルーマニアの人が越してきて、
知り合いになったりで、
スラブ系、東欧に興味が湧いた。
その後ポーランドの小説を読んだので、
パンデミック用の本として、
チェコの小説を一冊選んだわけである。
想像以上に面白く完全に満足した。

貧しい生まれのホテルの給仕人見習いの、
百万長者を目指し、成し遂げ、
それを通り過ぎる一生の話である。
文章のテンポはよく荒唐無稽なホラばなし的な要素もあるが、
ドイツ人の女性と恋に落ち、
ナチスドイツの話が出てきてからは妙な具合になる。
ホラ話ではなく、事実ではないかと思えてくる。
ちょうど今の日本で、
虚構新聞に現実が追いついたような感じ。
ナチスドイツの実際がどうであったか、
わたしには判断できないが、
チェコ人である彼にドイツ的な名前のじいさんがいたことで、
そういう系図を作り、
ドイツ人女性の高潔な血にふさわしい男性であるか、
ゲルマンの立派な子どもを作れるかの、
性的能力のテストが行われたりする。
結婚や出産に政治的な介入をするのは、
ナチにはありそうなことで、
大人のファンタジーのようでありながら、
ブラックな実話のような気がしてくる。
このように背景にチェコがナチスの支配下になったり、
共産主義革命が起きたりの社会の変遷も、
反映されており、差別や帰属意識の問題など興味深い。
ものすごく荒唐無稽なエピソードを散りばめながら、
彼の歩みの最終段階は哲学的でさえある。
またこのタイトルだが、
英国王の給仕をしたのは、彼の先輩である別人である。
彼自身はエチオピア王の給仕をした。
こう言う風にわざと外す感じが、
いやーなかなかじゃないかと唸る。

池澤夏樹編集の世界文学全集の中の一冊
フラバル著 河出書房新社
2020年03月05日 | Comments(0) |

秀吉

連れて来られた農民や漁民は寒い朝鮮で、
城造りに酷使されたり、戦いで死んだりしている間、
秀吉は一般人立ち入り禁止にして、
お花見を楽しみ、茶会を催し、
温泉に湯治に行ったりしている。
行く行くと言いながら朝鮮には一度も渡らなかった。
今日となんかよく似ている。
民草が生きようが死のうが権力者には関係ない。
違うのは昔はトップを選ぶ権利は庶民にはなかったが、
現在は国民が好き好んで、
彼を長きに渡ってトップの座に据え続けていること。

私は昨日久しぶりに図書館に行った。
パンデミックに備えて厚い本を借りてきた。笑
味噌は無事ミラノについたらしい。
良かった。
日本からの荷物は捨てられるかと思ったよ。
ミラノは大きな混乱もなく問題ないらしい。
イタリアは普通に考えてよくやっている。
やばいのは…
2020年02月28日 | Comments(1) |

トリオ

この本に嶋井宗室と言う博多の豪商が出てくるが、
筑紫の茶坊主こと神谷宗湛と同じ、
商都博多をし切っていた年寄り衆の一人で、
宗室は神谷家から養子をとっているので、
二人は親戚でもある。
今回この本で今ごろやっと謎が解けた。
豪商の茶人がなぜみんな坊さんなのかである。
豪商とはいえ庶民階級なので、
偉い大名方とお茶遊びなどで同席するためには、
僧形になる必要があったと言うことだ。
千利休なども同様である。

昔から宗教関係者は権力者のそばにいた。
古代の方に遡れば政と神事は渾然一体であるし、
その後も坊さんはインテリ階級であるからブレーンとして、
また勧進僧のようにマネージメントに強い人もいたし、
土木建築医療などあらゆる分野に賢い坊さんは活躍した。
本職の宗教業務の他にも、
いろいろのことに関わったと思われる。
だから坊さんはこっから先は普通の人はダメ、
と言うゾーンにも入れたのだろう。
この本に出てくる坊さんと商人を兼務している人たちは、
総合芸術であるお茶を嗜みつつ、
バッチリ戦費の話もしただろう。
茶室は密談には実に都合の良い場所であるしね。
江戸時代になると、
そちも悪よのうの越後屋なんかは、
別に僧形ではないからその後は廃れた形式なのか。

坊主と商人と王様はどこでもがっちり組む。
イスパニアもポルトガルも。
お互いに協力しつつ利用し合う。
お金と権力と宗教は切り離せないもののようだ。
2020年02月27日 | Comments(0) |

「星夜航行」読了

飯嶋和一氏の本は多分ほとんど読んでいる。
歴史小説だがとても面白い。
著者は非常に細かく史実を調べていて、
今度のこの本は特にすごい。
巻頭に地図のある本はすごく好きだが、
この本には異様に細かい地図が出ている。
この地名は全て本文中に出てくると言うこと。
人の名前、日付、場所が全部細かく出てくる。
話の筋を早く追いたい読者には、
ちょっとやりすぎと思えるかもしれない。

秀吉の朝鮮出兵がテーマである。
誰もが歴史の教科書で知っている事だが、
六年の間に二度派兵があり、
朝鮮、中国(当時の明)の軍と秀吉の軍との、
壮絶な戦いであった。
朝鮮の国土は蹂躙され、日本は労働力を奪われ、
米は持って行かれ、ほとんど飢餓状態に。
秀吉の愚かな夢のような野望の結果である。
おだてて焚きつけた坊主がいるわけだが…

細かい描写があるからこそ納得できることも多い。
途中に最初のキリシタンの処刑が出てくる。
後の西坂の26聖人である。
キリシタン関係の本では必ず出てくる、
イスパニア船サン・フェリーぺ号の件も、
タイミングの悪さの極みであったことがよくわかる。
ポルトガルとイスパニアの覇権争いが、
イエズス会フランシスコ会の対立となり、
あのイタリア人のイエズス会士あるがん様が、
執拗にフランシスコ会を妨害した話も!
どんな事実も光の当て方で、
いかようにも読めるし、実際物事には、
多様な面があるわけである。
この26人にイエズス会の人も含まれるため、
曖昧になっているが、
これはフランシスコ会に対する迫害である。
なぜか現場は混乱してこう言うことになった。

日本は戦国時代で戦に明け暮れていたせいで、
結構戦争がうまかった。
鉄砲の普及も日本が早く、
朝鮮、明の軍隊よりも有利に進んだ。
明の軍隊は数は多いが広い大陸の騎馬戦の経験しかなく、
私が秀吉軍をやっつけろ!と応援していたのに、
全然勝てない。
そもそもこの大国には、
朝鮮や日本を軽く見ると言う「奢り」があり、
奢りの負のパワーはすごいものだと思った。
奢りが先にあると、ちょっとやられると、
激しく動揺して逃げることしか思いつかなくなるらしい。
なるほどなぁである。
2020年02月26日 | Comments(0) |

ユダヤ人

去年はプリーモ・レーヴィの著作を、
立て続けに読んで、
今回はポーランドの小説を読んだこのタイミングで、
アウシュビッツ解放75周年ということで、
たくさんの記事や生々しい写真が出てきている。
ユダヤ人とは何か、ナショナリズムとは何か、
そういう事をつらつらと考え続けることになる。
「人形」の訳者による解説は、
大事なことがいろいろ書かれており、
私にとってはなるほどと思えることも多く、
この訳者の別のポーランドの関する著作を、
読んでみたい気になっている。
しかしまあ難しい話なので私の手に終えるとは思えないが。

なにしろ日本にいるとユダヤ人にあんまり会わない。
杉並区のベランダでこんちさんを彫ってる私だから、
当然のことだけどね。
どう考えても私が知っている生ユダヤ人は、
大昔若い頃ちょっとすれ違ったくらいの知り合い、
デイヴィットただ1人である。
ユダヤ系アメリカ人。
その彼も数年前死んでしまったが。
ユダヤ人である事と関係あるかないかは知らないが、
ものすごい優秀な人で、
私は漢字を聞かれて教えてあげられなかったと言う、
はなはだ恥ずかしい記憶がある。
あともう一つ印象的だったのは、
足のサイズがすごく大きい、そしてとても細長い。
スニーカーを履くと左右の紐の穴がくっついちゃう。
靴選びに苦労していたこと。
あんな足は初めて見た。
プリーモレーヴィの「今でなければいつ」だったかに、
靴の話がでてきた。
冬のロシア、ドイツやポーランドでは、
靴は命取りになるほど重要なものである。
靴が壊れると盗まなきゃならない。
それが死者の履き物であっても。
殺して奪うケースもあった。
その際やはりサイズが大事。
これを読んだ時、
思わずデイヴィットの足を思い出した私であった。
2020年01月28日 | Comments(0) |

「人形」読了

1212ページの長編小説ついに読了。
こんな長いもの読みきれるかなぁと思ったが、
面白くて小説もやはりいいもんだなぁと思った。
訳文が良いのも大きい。
去年の翻訳の大賞を取っている。
日本で訳出されるものはほとんどが英語で書かれたもの。
当然英語の翻訳者もたくさんいるはずで、
そうなれば優れたものも多そうに思うが、
実感としてはそうでもない。
やってる人が少なそうな言語の方が、
安定しているのかもしれない。
これを訳した関口時正氏は略歴を見れば、
大御所の先生であるから良いのは当然かもしれないが。
訳者の最後の解説も大変面白く、
内容の濃いものであった。

この小説は新聞に連載されたものである。
第一回目が1887年(明治20年)。
その頃の日本では、逍遥の「当世書生気質」や、
二葉亭「浮雲」などが出ている。
これらに比べて、今日の読者に十分読ませる感じは、
恐るべきもの。
戦後も各国で翻訳され、2016年韓国、ベトナムに続いて、
この日本語訳が25番目になるというから!
一言で言えば恋愛ものということになるが、
ポーランドという国の情勢、
ロシアの支配、ドイツの圧力、
当時国民の三分の一がユダヤ人であり、
貴族階級と庶民の圧倒的格差など、
その背景が縦横無尽に活写されていて、
興味深いこと限りなしである。
2020年01月27日 | Comments(0) |

また再野生化の話

環境保護団体のやっている事と、
再野生化が違うところは、
これにはこうしたいという理想の形がない。
全てお任せである。
現在ある保護運動は多かれ少なかれ、
この場所のこの状態を維持するとか、
ある時期の状態に戻すとか、特定の植物を守るとか、
目標とする形がある。
ボランティアも植樹とかしないとやった気がしない。
しかし生態系というのはずっといつも同じなわけではなく、
ランダムな(もちろん理由はある)スパンで様々の種類の影響を受け、
出たり引っ込んだり色々しながら、
流動的に変化しているものなのだ。
どちらかと言って人がどうにかできるようなものではない。
お任せタイプなのでどんな保護活動に比べても、
お金がかからない。
ここでは、動物を放すために敷地をフェンスで囲む、
敷地内の川の護岸を壊して、
水辺まで動物が近づけるようにした事、
この二つくらいが主な出費であった。
私も140ヘクタールくらいの土地持ちなら迷わずやるだろう。
著者も農業でやっていけない人達が、
やらないのは不思議だと思っているみたい。
オランダでやられている先行事例が凄い。
広大な埋立地を使っている。
なんとなく感じていたけど、
オランダの取り組みは全体的に進んでいるね。
小さい国だけど生物学者もいっぱいいるし。
この分野ではEUがよい取り組みをしていて、
確かに農薬やGMに関しても積極的に不使用を打ち出している。
それに比べてイギリスは確かに動きが鈍い。
ま、日本にはかなわないけど。
著者もEU離脱後のことを心配しているようだ。
2020年01月08日 | Comments(0) |

「グロマリン」の話

イギリス貴族の再野生化の本の最後の方に、
すごい話が出ている。
土壌の話であるがそのなかの菌根菌の話。
「グロマリン」という物質は、1996年に発見された。
菌根菌が炭素から作る糖タンパク質である。
大気中の二酸化炭素が増えると生成量が増える。
実にグロマリン粒子の20から40パーセントが炭素である。
菌根菌の働きで炭素隔離という事が出来るのである。
世界中の劣化した草地50億ヘクタールを、
正しい生態系に戻してやれば、
数十年で温室効果ガスの濃度を、劇的に、
産業革命以前のレベルまで下げられるというのである。
実際このイギリスの140ヘクタールの再野生化で、
土壌が回復し菌根菌が増えてきている事は分かっている。
こういう土地を飛び地的にでもたくさん作れれば、
昆虫や植物や土壌微生物も一気に増えるのは確実なのである。
できる事はたくさんある。
それなのに、戦争かよ…である。
戦争ほど効率的に環境破壊するものも滅多にない。
様々な毒物がばらまかれる。
気軽な核兵器も使われるだろうし、
石油基地なんか燃やされたりして、、
第一次世界大戦の時に使われた化学兵器のせいで、
ヨーロッパには今も人が入れない場所もある。
そんな事やってる場合ではない。
愚かなり。
2020年01月06日 | Comments(0) |

再野生化!の話

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注文していた本が届いた。
イギリスの貴族がその領地を、
農業や酪農を続けても赤字続きなので、
全てをやめ野生に近い種の、
馬や豚や牛などを放して放っておいたら、
どんどん土地が変化し、
多くの鳥や昆虫が帰ってきて、絶滅危惧種が、
繁殖をはじめたという、信じられないような話。
この本を書いたのはそこの奥さんで、
再野生化からたった17年目の記録です。
自然というのは余程手遅れにならない限り、
ものすごい再生力を持っているものです。
普通の近代農業で麦なんかを作っていた、
1400ヘクタールの土地で、ロンドンからわずか70キロ。
もともと湿地だった場所は改良して使っていたのに、
自然と元の湿地に戻っていく。
そしてそう言う水辺もまた重要な働きをする。
始めた人の目の黒いうちにみるみる結果が出るというのは、
最高にいいことね。
楽しくて面白くてしょうがないだろう。

はじめに、を読んで、最後の年表を読んだだけだけど、
年表に懐かしい名前が出てきてびっくり。
私が動物ものをたくさんの読んで楽しませてもらった、
ダレル家の末っ子、ジェラルドダレルの、
「ダレル野生生物保護基金」が、
コウノトリ放鳥などのプリジェクトに協力参加している。
相変わらず頑張っていると思うと嬉しい。

とにかく早く読んでまた紹介する。
土壌微生物も超復活してるしね。笑
2019年12月29日 | Comments(0) |

ローマ法王の続き

ローマ法王の話のなかに、
現在法王を支える枢機卿の一人、
前田万葉氏は五島列島の出身であるとあった。
数年前私が長崎と熊本を訪れた時、
友人がDVDを貸してくれた。
NHKのテレビ番組を録画したもので、
その一つが長崎の離島の教会の話であった。
その中に確か五島であったと思うが、
島出身の若い司祭が地元の教会に戻ってくる話があった。
常駐でなく船で通ってくるのだが、
島の信者の皆さんは本当に嬉しそう。
司祭様に対する尊敬に、
どうしても可愛いくてしょうがない感情が混じって、
我が島の司祭の誇らしさも、見ていてこちらまで、
嬉しくなるような微笑ましいものであった。
あれは時代的には前田氏ではないだろうと思うが。
司祭を大量生産している土地なのか。

信仰と言うのも、個人の生活信条、主義主張の一つである。
それがキリスト様やマホメット様の受け売りであると言うだけで。
その主張に共感すれば良い隣人としての関係ができるから、
小さな島の信者たちは、
仲の良いコミュニティの仲間という感じになる。

隠れ切支丹の厳しさは場所や条件によっていろいろで、
有名な生月島も出てきたが、
ここのように今も古いオラショが残っているような所は、
運のいい方のところである。
もっと緊迫感のあるところでは、
オラショも声に出して唱えることができない。
声に出さずにこれを覚えるのは難しいので、
どうしても引き継いで行けなくなってしまう。
これは以前読んだ本にあった話しだが。
それでも長崎ではそれぞれ離れた場所で、
信仰を捨てなかった人たちがいたが、
彼らも信仰を元手にする事で、厳しい生活の中でも、
良いコミュニティができ、
それは重要なことだったのかもしれない。
2019年11月14日 | Comments(1) |

ローマ法王

ローマ法王の話を読んだ。
この人近々日本に来るようだね。
彼はとても面白い人です。
日本はカトリックの信者は少なめだけど、
彼はイエズス会士なので、
長崎の隠れ切支丹と原爆のことに、
強い興味を持っていて、
日本に来たらすぐ長崎を訪れる予定らしい。
26聖人記念館にも行くようだ。
長崎も続けざまに被爆団体のリーダーがなくなって、
なんかいろいろピンチみたいだ。
被爆者が一人もいなくなった時に、
我々はどういう風に運動を続けていけばいいのか。
いろいろ難しい。
ただ原爆資料館のようなものは、
やはり海外から来た人も、戦争経験者でなくとも、
かなり衝撃を受け、考えを深めることが可能だから、
これらは大事にしていかなければならないと思う。
2019年11月13日 | Comments(4) |

養老先生

本屋で目についたので、
養老先生の「ヒトはなぜゴキブリを嫌うか?」
を買ってみた。
少し古いが講演録で、ゴキブリについての本ではない。
手を入れて新書版になって発売の、
タイミングだったらしい。
私は養老先生が好きだが、理由の1つは、
愛煙家であることである。笑
私は何万人もの死体を解剖してきたが、
喫煙者の肺だけが特に汚いわけではないと、
へっちゃらである。
私は嫌煙運動家が特に嫌いである。
一部の動物愛護の人たちと同じ傾向がある。
極端にファナティック。
愛国者という人たちも同様だが、
特定のものへの愛を誇示する人にろくなのはいない。
彼らの愛の対象から外れたもの達の多さよ。
つまりは差別主義者なのである。
2019年11月11日 | Comments(0) |

マツタケ

201911091719235ec.jpeg

みすずのお便りでこの本を知り、
読みたいなぁと思っていた。
そしたら姉が買ったというお知らせが来て、
しめこのうさぎ、とばかり、
彼女が読み終えるのを待つだけであった。
いつもだと誰かが本の紹介文を書いているのだが、
これに関してはプロローグの一部が、
そのまま紹介文になっていた。
読み始めてわかったが、これがどんな本かを、
わかりやすく書くことは難しい。
松茸について書いてあるが、
松茸についての本ではない。
文化人類学的でもあるが経済の話でもある。
賢い人が書いた不思議な本である。
そもそも大掛かりなフィールドワークの、
共同研究の中から生まれている。
著者アナ・チンは、略歴によると、
フェミニズム研究、環境人類学を先導する、
世界的権威とある。
私にはこの本の紹介は荷が重いように思うが、
面白いのは確かである。
2019年11月09日 | Comments(0) |

「虫のすみか」

私は毎日気分が良くないわけだが、
娘が貸してくれた「虫のすみか」を読んで、
中和するように頑張ってみた。
私の好きな小松貴先生!の本である

様々な虫の生活パターンの、
驚くべき多様性が、すごすぎる。
我々はみなこの地球を舞台に生きているわけだが、
使える場所は全て使い、その環境に見事に適応して、
細かく細かく棲み分けている。
その展開は見事というほかない。
細菌の話になると熱を帯びがちな私だが、
昆虫も当然マイクロバイオームを身にまとっている。
彼らの特有の暮らしぶりを支える、
一緒に進化してきた細菌たちである。
その細菌をメスはどうやって子どもたちに渡すか、
という話も出てくる。
人間の赤ん坊は産道を通過する時や、
その後の日常的な親との接触で、
数年をかけてこれを受け取る。
昆虫は子育て期間というものがあまりない。
クヌギカメムシは産卵すると、
卵の上をゼリー状のもので覆う。
このゼリーは幼虫の発育に必要な栄養源であるだけでなく、
子どもに不可欠な共生細菌を含んでいるのである。
またシロアリはほとんどの生物が消化できない、
固いセルロースをバリバリ食べるが、
これも消化に関わっているのは本人ではなく、
彼らの体に住み着いている細菌であるらしい。
キノコを育てるアリは何種類かいるが、
この菌床の話はいつ読んでも面白い。
アリの種類によって育てる菌は別々で、
それぞれが先祖代々受け継いでいるのである。
そのアリがいなくてはそのキノコは育たない。
運命共同体なのである。
2019年09月27日 | Comments(0) |

「日本社会のしくみ」

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この本は欲しいと思っていたんだが、忘れていた。
昨日本屋に寄ったらちょうど目につくところにあったので、
そうそうと思って買ってきた。
私は社会学者の本をたまに読む。
最近2人ばかりクビにしたが、笑
小熊さんは引き続き贔屓にしている。
以前自分の父親の一生を聞き書きで書いた、
「生きて帰ってきた男」を読んだ時に思ったことだが、
こういう個人史でも、
本人の努力、または運、不運などと、
本人もはたの者も理解しがちな事も、
実は個人の行動であってもその時の政府の政策と法整備に、
ぴったりと乗っかって起きていることで、
その背景なしには起き得ない事もたくさんある。
よく時代の流れなどと、まるで自然に起きていて、
逆らえないことのように言うが、
そういう風に流してる人がいるんだよと、
私はずっといってきたが、ここまで露骨に、
そうなんだとは!と驚いたものである。
あの本では個人の一生と、
その時代の社会の動きを絡めて書いていたわけだが、
今回は日本の社会の変遷をたくさんのデーターを、
適切に読み込んで、目から鱗の日本の現代史を書いている。
主に雇用、教育、社会保障などの分野での、
日本の「しくみ」に注目している。

巻頭でこういう風に書いている。
「本書が対象としているのは、日本社会を規定している「習慣の束」である。これを本書では「しくみ」と呼んでいる。
習慣とは、人間の行動を規定すると同時に、行動によって形成されるものである。たとえていえば、筆跡や歩き方、ペンの持ち方のようなものだ。これらは、生まれた時から遺伝子で決まっているのではなく、日々の行動の蓄積で定着する。だがいったん定着してしまうと、日々の行動を規定するようになり、変えるのはむずかしい。」
もう初めから納得の面白そうさであるでしょ?
こう言うのは体の使い方でも言える事で、
ちょっとした癖が蓄積して、
間違った体の状態を作り上げてしまったりするのと同じだなぁ。
そんなんで次々に、なるほどの話が出てくる。
専門書ではあるが一般人にも読めるように、
わかりやすい言葉で書いてあって、素晴らしい。
2019年09月13日 | Comments(2) |

師匠は熊にかぎる

「昔から地球上に、お前たち生きろと神様から言われて分布しているいきものは、生きていてほしいと思うね。虫一匹だっていなければ人間に困ることだってある。
中略
だからクマはクマなりの存在価値があって、この世界になくてはならないものだと思うんですよ。
中略
営林署が木をかじって枯らすからといって野ネズミを退治するためにヘリコプターで毒の薬を撒いたけど、それから奇形のウサギなんかがふえたね。手や足のないウサギがずいぶん出た。そういうことをしてたら、いつか人間にもはね返ってくるから。」
姉崎等さんの言葉です。

隅から隅まで同意します。
姉崎さんは一人の狩人だけど、営林署に抗議もし、
学術調査に協力もしている。
この人は自分の師匠は熊だと、
熊からいろんなことを教わったと言っている。
やっぱり人間に教わった営林署の人や政府の役人は、
ロクなことしない。
彼は学校教育は小学校の半分くらいしか受けてない。
それが良かったのかも。
師匠は熊にかぎる。
2019年08月22日 | Comments(0) |

「与謝野晶子歌集」

歯医者さんの帰りに、恐怖の体験を忘れるために、
一度入ってみようと思っていた、
割に最近できた児童書の古本屋に立ち寄った。
全てが子ども向けではなく、
店の中に入ると大人の本がかなり多かった。
というか児童書は思ったより少なめ。
児童書の古本は少ないから仕方ないが。

与謝野晶子歌集という文庫本が目についた。
先日読んだ「明月記を読む」の中で、
与謝野晶子の歌が紹介されていて、
強い印象があったのと、
解説を馬場あき子さんが書いているのもあって、
迷わずゲット。

この人は語彙が豊富で実に言葉を巧みにあつかう。
自由自在でかつ守備範囲が広い。
その情景は色彩豊かでドラマチックでとにかく濃い。
また思いがけないものを取り上げていて、
うなる感じの仕上がりになっていたり、
まあ私は歌はよくわからんのだが、
それでも、いやぁすごい人だなぁと思う。
びびるくらいのレベル。
初期のみだれ髪ばかりが有名だが、
あれも確かにすごいけど、あれだけではない。
こういう圧倒的に内面に豊かなボリュウムを持っている人は、
本当に近年居なくなった。
生涯に5万首以上の歌を作ったという。
2019年08月01日 | Comments(2) |
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