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また再野生化の話

環境保護団体のやっている事と、
再野生化が違うところは、
これにはこうしたいという理想の形がない。
全てお任せである。
現在ある保護運動は多かれ少なかれ、
この場所のこの状態を維持するとか、
ある時期の状態に戻すとか、特定の植物を守るとか、
目標とする形がある。
ボランティアも植樹とかしないとやった気がしない。
しかし生態系というのはずっといつも同じなわけではなく、
ランダムな(もちろん理由はある)スパンで様々の種類の影響を受け、
出たり引っ込んだり色々しながら、
流動的に変化しているものなのだ。
どちらかと言って人がどうにかできるようなものではない。
お任せタイプなのでどんな保護活動に比べても、
お金がかからない。
ここでは、動物を放すために敷地をフェンスで囲む、
敷地内の川の護岸を壊して、
水辺まで動物が近づけるようにした事、
この二つくらいが主な出費であった。
私も140ヘクタールくらいの土地持ちなら迷わずやるだろう。
著者も農業でやっていけない人達が、
やらないのは不思議だと思っているみたい。
オランダでやられている先行事例が凄い。
広大な埋立地を使っている。
なんとなく感じていたけど、
オランダの取り組みは全体的に進んでいるね。
小さい国だけど生物学者もいっぱいいるし。
この分野ではEUがよい取り組みをしていて、
確かに農薬やGMに関しても積極的に不使用を打ち出している。
それに比べてイギリスは確かに動きが鈍い。
ま、日本にはかなわないけど。
著者もEU離脱後のことを心配しているようだ。
2020年01月08日 | Comments(0) |

「グロマリン」の話

イギリス貴族の再野生化の本の最後の方に、
すごい話が出ている。
土壌の話であるがそのなかの菌根菌の話。
「グロマリン」という物質は、1996年に発見された。
菌根菌が炭素から作る糖タンパク質である。
大気中の二酸化炭素が増えると生成量が増える。
実にグロマリン粒子の20から40パーセントが炭素である。
菌根菌の働きで炭素隔離という事が出来るのである。
世界中の劣化した草地50億ヘクタールを、
正しい生態系に戻してやれば、
数十年で温室効果ガスの濃度を、劇的に、
産業革命以前のレベルまで下げられるというのである。
実際このイギリスの140ヘクタールの再野生化で、
土壌が回復し菌根菌が増えてきている事は分かっている。
こういう土地を飛び地的にでもたくさん作れれば、
昆虫や植物や土壌微生物も一気に増えるのは確実なのである。
できる事はたくさんある。
それなのに、戦争かよ…である。
戦争ほど効率的に環境破壊するものも滅多にない。
様々な毒物がばらまかれる。
気軽な核兵器も使われるだろうし、
石油基地なんか燃やされたりして、、
第一次世界大戦の時に使われた化学兵器のせいで、
ヨーロッパには今も人が入れない場所もある。
そんな事やってる場合ではない。
愚かなり。
2020年01月06日 | Comments(0) |

再野生化!の話

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注文していた本が届いた。
イギリスの貴族がその領地を、
農業や酪農を続けても赤字続きなので、
全てをやめ野生に近い種の、
馬や豚や牛などを放して放っておいたら、
どんどん土地が変化し、
多くの鳥や昆虫が帰ってきて、絶滅危惧種が、
繁殖をはじめたという、信じられないような話。
この本を書いたのはそこの奥さんで、
再野生化からたった17年目の記録です。
自然というのは余程手遅れにならない限り、
ものすごい再生力を持っているものです。
普通の近代農業で麦なんかを作っていた、
1400ヘクタールの土地で、ロンドンからわずか70キロ。
もともと湿地だった場所は改良して使っていたのに、
自然と元の湿地に戻っていく。
そしてそう言う水辺もまた重要な働きをする。
始めた人の目の黒いうちにみるみる結果が出るというのは、
最高にいいことね。
楽しくて面白くてしょうがないだろう。

はじめに、を読んで、最後の年表を読んだだけだけど、
年表に懐かしい名前が出てきてびっくり。
私が動物ものをたくさんの読んで楽しませてもらった、
ダレル家の末っ子、ジェラルドダレルの、
「ダレル野生生物保護基金」が、
コウノトリ放鳥などのプリジェクトに協力参加している。
相変わらず頑張っていると思うと嬉しい。

とにかく早く読んでまた紹介する。
土壌微生物も超復活してるしね。笑
2019年12月29日 | Comments(0) |

ローマ法王の続き

ローマ法王の話のなかに、
現在法王を支える枢機卿の一人、
前田万葉氏は五島列島の出身であるとあった。
数年前私が長崎と熊本を訪れた時、
友人がDVDを貸してくれた。
NHKのテレビ番組を録画したもので、
その一つが長崎の離島の教会の話であった。
その中に確か五島であったと思うが、
島出身の若い司祭が地元の教会に戻ってくる話があった。
常駐でなく船で通ってくるのだが、
島の信者の皆さんは本当に嬉しそう。
司祭様に対する尊敬に、
どうしても可愛いくてしょうがない感情が混じって、
我が島の司祭の誇らしさも、見ていてこちらまで、
嬉しくなるような微笑ましいものであった。
あれは時代的には前田氏ではないだろうと思うが。
司祭を大量生産している土地なのか。

信仰と言うのも、個人の生活信条、主義主張の一つである。
それがキリスト様やマホメット様の受け売りであると言うだけで。
その主張に共感すれば良い隣人としての関係ができるから、
小さな島の信者たちは、
仲の良いコミュニティの仲間という感じになる。

隠れ切支丹の厳しさは場所や条件によっていろいろで、
有名な生月島も出てきたが、
ここのように今も古いオラショが残っているような所は、
運のいい方のところである。
もっと緊迫感のあるところでは、
オラショも声に出して唱えることができない。
声に出さずにこれを覚えるのは難しいので、
どうしても引き継いで行けなくなってしまう。
これは以前読んだ本にあった話しだが。
それでも長崎ではそれぞれ離れた場所で、
信仰を捨てなかった人たちがいたが、
彼らも信仰を元手にする事で、厳しい生活の中でも、
良いコミュニティができ、
それは重要なことだったのかもしれない。
2019年11月14日 | Comments(1) |

ローマ法王

ローマ法王の話を読んだ。
この人近々日本に来るようだね。
彼はとても面白い人です。
日本はカトリックの信者は少なめだけど、
彼はイエズス会士なので、
長崎の隠れ切支丹と原爆のことに、
強い興味を持っていて、
日本に来たらすぐ長崎を訪れる予定らしい。
26聖人記念館にも行くようだ。
長崎も続けざまに被爆団体のリーダーがなくなって、
なんかいろいろピンチみたいだ。
被爆者が一人もいなくなった時に、
我々はどういう風に運動を続けていけばいいのか。
いろいろ難しい。
ただ原爆資料館のようなものは、
やはり海外から来た人も、戦争経験者でなくとも、
かなり衝撃を受け、考えを深めることが可能だから、
これらは大事にしていかなければならないと思う。
2019年11月13日 | Comments(4) |

養老先生

本屋で目についたので、
養老先生の「ヒトはなぜゴキブリを嫌うか?」
を買ってみた。
少し古いが講演録で、ゴキブリについての本ではない。
手を入れて新書版になって発売の、
タイミングだったらしい。
私は養老先生が好きだが、理由の1つは、
愛煙家であることである。笑
私は何万人もの死体を解剖してきたが、
喫煙者の肺だけが特に汚いわけではないと、
へっちゃらである。
私は嫌煙運動家が特に嫌いである。
一部の動物愛護の人たちと同じ傾向がある。
極端にファナティック。
愛国者という人たちも同様だが、
特定のものへの愛を誇示する人にろくなのはいない。
彼らの愛の対象から外れたもの達の多さよ。
つまりは差別主義者なのである。
2019年11月11日 | Comments(0) |

マツタケ

201911091719235ec.jpeg

みすずのお便りでこの本を知り、
読みたいなぁと思っていた。
そしたら姉が買ったというお知らせが来て、
しめこのうさぎ、とばかり、
彼女が読み終えるのを待つだけであった。
いつもだと誰かが本の紹介文を書いているのだが、
これに関してはプロローグの一部が、
そのまま紹介文になっていた。
読み始めてわかったが、これがどんな本かを、
わかりやすく書くことは難しい。
松茸について書いてあるが、
松茸についての本ではない。
文化人類学的でもあるが経済の話でもある。
賢い人が書いた不思議な本である。
そもそも大掛かりなフィールドワークの、
共同研究の中から生まれている。
著者アナ・チンは、略歴によると、
フェミニズム研究、環境人類学を先導する、
世界的権威とある。
私にはこの本の紹介は荷が重いように思うが、
面白いのは確かである。
2019年11月09日 | Comments(0) |

「虫のすみか」

私は毎日気分が良くないわけだが、
娘が貸してくれた「虫のすみか」を読んで、
中和するように頑張ってみた。
私の好きな小松貴先生!の本である

様々な虫の生活パターンの、
驚くべき多様性が、すごすぎる。
我々はみなこの地球を舞台に生きているわけだが、
使える場所は全て使い、その環境に見事に適応して、
細かく細かく棲み分けている。
その展開は見事というほかない。
細菌の話になると熱を帯びがちな私だが、
昆虫も当然マイクロバイオームを身にまとっている。
彼らの特有の暮らしぶりを支える、
一緒に進化してきた細菌たちである。
その細菌をメスはどうやって子どもたちに渡すか、
という話も出てくる。
人間の赤ん坊は産道を通過する時や、
その後の日常的な親との接触で、
数年をかけてこれを受け取る。
昆虫は子育て期間というものがあまりない。
クヌギカメムシは産卵すると、
卵の上をゼリー状のもので覆う。
このゼリーは幼虫の発育に必要な栄養源であるだけでなく、
子どもに不可欠な共生細菌を含んでいるのである。
またシロアリはほとんどの生物が消化できない、
固いセルロースをバリバリ食べるが、
これも消化に関わっているのは本人ではなく、
彼らの体に住み着いている細菌であるらしい。
キノコを育てるアリは何種類かいるが、
この菌床の話はいつ読んでも面白い。
アリの種類によって育てる菌は別々で、
それぞれが先祖代々受け継いでいるのである。
そのアリがいなくてはそのキノコは育たない。
運命共同体なのである。
2019年09月27日 | Comments(0) |

「日本社会のしくみ」

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この本は欲しいと思っていたんだが、忘れていた。
昨日本屋に寄ったらちょうど目につくところにあったので、
そうそうと思って買ってきた。
私は社会学者の本をたまに読む。
最近2人ばかりクビにしたが、笑
小熊さんは引き続き贔屓にしている。
以前自分の父親の一生を聞き書きで書いた、
「生きて帰ってきた男」を読んだ時に思ったことだが、
こういう個人史でも、
本人の努力、または運、不運などと、
本人もはたの者も理解しがちな事も、
実は個人の行動であってもその時の政府の政策と法整備に、
ぴったりと乗っかって起きていることで、
その背景なしには起き得ない事もたくさんある。
よく時代の流れなどと、まるで自然に起きていて、
逆らえないことのように言うが、
そういう風に流してる人がいるんだよと、
私はずっといってきたが、ここまで露骨に、
そうなんだとは!と驚いたものである。
あの本では個人の一生と、
その時代の社会の動きを絡めて書いていたわけだが、
今回は日本の社会の変遷をたくさんのデーターを、
適切に読み込んで、目から鱗の日本の現代史を書いている。
主に雇用、教育、社会保障などの分野での、
日本の「しくみ」に注目している。

巻頭でこういう風に書いている。
「本書が対象としているのは、日本社会を規定している「習慣の束」である。これを本書では「しくみ」と呼んでいる。
習慣とは、人間の行動を規定すると同時に、行動によって形成されるものである。たとえていえば、筆跡や歩き方、ペンの持ち方のようなものだ。これらは、生まれた時から遺伝子で決まっているのではなく、日々の行動の蓄積で定着する。だがいったん定着してしまうと、日々の行動を規定するようになり、変えるのはむずかしい。」
もう初めから納得の面白そうさであるでしょ?
こう言うのは体の使い方でも言える事で、
ちょっとした癖が蓄積して、
間違った体の状態を作り上げてしまったりするのと同じだなぁ。
そんなんで次々に、なるほどの話が出てくる。
専門書ではあるが一般人にも読めるように、
わかりやすい言葉で書いてあって、素晴らしい。
2019年09月13日 | Comments(2) |

師匠は熊にかぎる

「昔から地球上に、お前たち生きろと神様から言われて分布しているいきものは、生きていてほしいと思うね。虫一匹だっていなければ人間に困ることだってある。
中略
だからクマはクマなりの存在価値があって、この世界になくてはならないものだと思うんですよ。
中略
営林署が木をかじって枯らすからといって野ネズミを退治するためにヘリコプターで毒の薬を撒いたけど、それから奇形のウサギなんかがふえたね。手や足のないウサギがずいぶん出た。そういうことをしてたら、いつか人間にもはね返ってくるから。」
姉崎等さんの言葉です。

隅から隅まで同意します。
姉崎さんは一人の狩人だけど、営林署に抗議もし、
学術調査に協力もしている。
この人は自分の師匠は熊だと、
熊からいろんなことを教わったと言っている。
やっぱり人間に教わった営林署の人や政府の役人は、
ロクなことしない。
彼は学校教育は小学校の半分くらいしか受けてない。
それが良かったのかも。
師匠は熊にかぎる。
2019年08月22日 | Comments(0) |

「与謝野晶子歌集」

歯医者さんの帰りに、恐怖の体験を忘れるために、
一度入ってみようと思っていた、
割に最近できた児童書の古本屋に立ち寄った。
全てが子ども向けではなく、
店の中に入ると大人の本がかなり多かった。
というか児童書は思ったより少なめ。
児童書の古本は少ないから仕方ないが。

与謝野晶子歌集という文庫本が目についた。
先日読んだ「明月記を読む」の中で、
与謝野晶子の歌が紹介されていて、
強い印象があったのと、
解説を馬場あき子さんが書いているのもあって、
迷わずゲット。

この人は語彙が豊富で実に言葉を巧みにあつかう。
自由自在でかつ守備範囲が広い。
その情景は色彩豊かでドラマチックでとにかく濃い。
また思いがけないものを取り上げていて、
うなる感じの仕上がりになっていたり、
まあ私は歌はよくわからんのだが、
それでも、いやぁすごい人だなぁと思う。
びびるくらいのレベル。
初期のみだれ髪ばかりが有名だが、
あれも確かにすごいけど、あれだけではない。
こういう圧倒的に内面に豊かなボリュウムを持っている人は、
本当に近年居なくなった。
生涯に5万首以上の歌を作ったという。
2019年08月01日 | Comments(2) |

世界7月号より

7月号の世界の特集は「原子力産業の終焉」である。
いくつか読んだが、
確かに如何ともしがたいオワコン感であった。
意外だったのはアメリカの原子力産業の寂れぶり。
原発の圧倒的先進国だったはずが、
技術的にももはやその面影はない模様。
大量の電力消費国となった中国では、
遅れて原発がたくさん作られたが、
その輸入先はほとんどロシアであり、
もう一つの大国フランス、アメリカは関われていない。
そしてここに来て建設中のものも、計画がポシャったり、
遅れまくったりで、産業として成り立っていない。
多くの国がうまいこと自然エネルギーに切り替えてきている中で
我が国は意気軒昂に頑張っているが、
後手に回ってろくでもない事が長びくだけで、
ま、結局は無理だろうと思った。
世界的なバカの見本というところか。

しかし新規が無くなっても恐ろしい存在であり続けるのが原発。
気候変動との関係についての記事が恐ろしすぎる。
原発はCO2を出さないから環境にいい!白目!
ということで売り出してきたわけですが、
すでに現在温暖化が現象として現れ、
海水温の上昇やそれに伴う巨大ハリケーンの発生、
大規模な山火事、異常高温などが世界中で起きていますが、
これら全てが、原発及び関連施設の過酷事故に直結する、
原因となりうるということです。
ま、素人の私がちょっと考えてもそうだろうと思う。
地震だけではない。
最も厳しい安全基準とか言ってる偉い人がいますが、
事実上日本は何もしていないみたい。
2019年07月13日 | Comments(0) |

「羊飼いの暮らし」2

著者ジェイムズ・リーバンクスの羊たちは、
フェルと呼ばれている山に放されている。
羊たちは人の世話を受けず自由に自然の中で生活する。
山の草を食べて子どもを育てる。
途中、毛を刈る時や出産などで何度か山から下ろす。
冬場は干し草を羊飼いたちがフェルまで出前する。
(自然とか自由とかって言葉が最近使いにくくてしょうがない。笑)
フェルは、ナショナルトラストであったり、
どっかの貴族であったり、土地の所有者は別にいるが、
この土地の羊飼いは(一つのフェルに何軒かづつ)
放牧権をいうものを持っていて、
自由にこの山で羊を育てることができる。
そして群れを麓に下ろす時などは、
すべての羊飼いが一緒に力を合わせて働く。
昔の入会地のような感じか。
フェルは柵も何もないただの山で、
いくつものフェルが尾根で繋がっている。
行こうと思えばどこへでも行けるわけだが、
羊たちはちゃんと自分のうちのエリアを知っていて、
どっかに勝手に行っちゃったりしない。
毎年新しい血が入るが、リーダーの雌が取り仕切り、
厳しい吹雪はここでやり過ごすなどの知恵を、
その集団に伝え、その牧場の羊たち固有の特徴やまとまりは、
世代を超えて受け継がれていく。
こう言うのも文化と言えるのかもしれない。
人間と同じなきがする。
気温は低く雨や雪が多い厳しい気象条件だが、
人も羊もそんな風土に耐えながら、
頑張って適応して最も正しいやり方を選びながら、
共に長い歴史を刻んできた。

そう言う生き物の生き方というのが、
今の日本ではすっかり忘れ去られている。
自己責任で生きる人々は様々な背景が抜け落ちて、
現在という殺風景なポイントにひとりで突っ立っている感じ。
安富先生が馬を連れて街を歩く時、
共感する人と拒絶する人に分かれるのは、
そう言うわけなんだろう。
2019年07月09日 | Comments(0) |

「羊飼いの暮らし」

20190708095759cec.jpeg

借りて読んだ「羊飼いの暮らし」が、
大変面白かった。
イギリスの湖水地方、北のほうの西側、
ピーターラビットのポターさんが押しまくった場所で、
数千年前とほとんど変わらない方法で、
在来種の羊を飼っている人が書いた本である。
フェルと呼ばれるなだらかな山と湖のある、
近年大人気の風光明媚な地方である。
著者はこの地で数百年続く畜産農家で産まれ、
祖父と父について、
子どもの時からこれを仕事として選んできた。
学校に入って自分の故郷湖水地方が、
外部の人から全く自分には不思議な方法で、
愛されているという現実を知り、
愕然とするところが面白い。
また、学校ではこんな田舎を出て立派な仕事につきなさい、
このままでは何も成し遂げられないと責め立てられる。
彼が望む羊飼いという仕事が、
汚らしい低級な仕事だと言われることに、驚き怒る。
彼のお祖父さんや両親はみな、
聡明で勤勉な人達で、この仕事に誇りを持っているのに。

この後、羊飼いの暮らしが、季節を追って詳しく書かれている。
この人の感じ方考え方問題意識は、あちこち同感だ。
また追って。


2019年07月08日 | Comments(4) |

コービンの話

コービンの本を読んでいて、
あー同じだなぁと思うところがある。
コービンが労働党の党首になってから、いっときも休まず、
党本部と事務方はコービンの邪魔をし続けていた。
そして総選挙になってもそれをやり続ける。
反コービン派の議員に手厚く選挙資金を配分し、
他党と接戦になっている候補は無視。
コービンを引きずり下ろすためなら、
選挙で自党の議席が減っても構わないというわけである。
これ、共産党と組むくらいなら、
自公に負けても構わないという野党共闘の話と同じである。
コービンのチームは政権とも身内とも、
戦い続けなければならなかった。
多くの国民が味方についてくれたからよかったが。
2019年06月23日 | Comments(0) |

マニフェスト

今コービンのんの本を読んでいるが、
労働党のマニフェストが出てくる。
これが素晴らしくて、いいなぁと感心した。
一つ一つの項目が合わさって、
コービン労働党の目指す社会の像が、
くっきりと見え、非常に魅力的に思える。
インパクトもある。
それを読んでいた直後に、
えだのん立憲のマニフェストが、
出たわけだが、比べると腰が引けてて中途半端。
99パーセントが絶対支持したいと思えるような、
魅力に欠けるかなぁ。
2019年06月21日 | Comments(0) |

国益

コービンの本は面白いが、
日本でもイギリスでも同じで、
庶民の味方戦争反対差別を許さないというような、
普通の主張をする人を、
既得権益層が狂ったように攻撃するのが、
呆れるばかりの酷さである。
コービンの国民の利益を重視する政策が、
国益を損なうという主張はおかしい。
国民の利益こそが国益ではないか。
国益というのが他の国との経済的競争力であると、
権力者は言うし、それを信じ込まされている人もいるが、
国内が安定して平和でみんなが食べていけることが、
国としての利益であり、それなくして、
そもそも経済競争などできるわけがない。
くだらない権力争いに終始して、
それにエネルギーを使っている間にも、
種の絶滅は進み生態系の破壊が加速している。
本当に人間は愚かで困ってしまう。
バーカ。
2019年06月18日 | Comments(0) |

注文していたもう一冊

もう一冊買ったのは、
「候補者ジェレミーコービン」

この本の翻訳者の藤澤さんのツイートで、
コービンの事は、
リアルタイムでワクワクしながら追いかけていたが、
それがそっくり立派な一冊の本になっている。
これが面白くて止まらない。

残念ながら岩波の本はどうも装丁が好みでないなぁ。
2019年06月16日 | Comments(0) |

五日市憲法

この前の号のビッグイシュー、
まだ読んでない記事があった。
「五日市憲法」について。
名前しか知らなかったが、
これは予想以上に凄いものであった。
幕末から二十数年の間に日本の各地で、
民間人による憲法の草案が実に102も!作られた。
その一つである。
長く続いた江戸幕府が倒れたこの時期、
新しい国のあり方を、一般の人たちが真剣に考えた。
五日市は絹の道の要所として栄えた場所である。
当地の旧家深澤家の当主は、
東京で出版される書籍を買い集め、
地元の人が自由に読めるようにした。
勉強会や討論会が開かれ、人々は真剣にこれに参加した。
こういうのを読むと、
前に読んだ金沢の職人米澤弘安の日記を思い出すが、
人々の知識欲勉強熱心社会参加の意欲、
あらゆる意味で今日とは比べ物にならないレベルである。
全然政治の話はちょっと…ではない。
またその内容を具体的に見ると、
人間性の高潔さ正義感など、そのバランスのとれた、
倫理観にも驚かされる。
2019年06月15日 | Comments(0) |

明月記を読む読了

明月記を読むを読み終えた。
はっきりわかったのは、
私には和歌を鑑賞するのは無理ってこと。
古今集、新古今集の時代の歌は、
やはり基礎知識、教養がないと無理や。
素朴な万葉集や、和歌が避けた、
リアルなものや日常的なもの上品でないものも詠んだ今様、
など複雑でないやつがいい。

それでも非常に面白かった。
この時代が面白いというのもあるが。
後鳥羽院の時に編纂が始まった新古今集だが、
承久の乱で、あっさり鎌倉にやられた後鳥羽院は、
壱岐に島流しになる。
ここでほぼ出来ていたのに頓挫するが、道家が諦めず、
後堀河天皇に働きかけ、再度うごきだすが、
なんとこの天皇は23歳で死んでしまう。
定家は絶望して草本を庭で焼いてしまう!短気
ところが道長は死んだ天皇のところにあった草本を見つけ出し、
なおも継続を定家に迫る。しつこい
鎌倉幕府に睨まれないように、
最後に島流し組の歌は抜かれる。

新古今の紆余曲折を経た編集仕事も終わり、
最晩年の定家は息子為家の妻のお父さん、
宇都宮頼綱の頼みで、障子を飾るための色紙に、
古来からの秀歌百首一人一首を選び、そして書く。
これが小倉百人一首の原型と言われる。

私は子どもの頃からお正月には楽しんだし、
高校の時はクラス対抗のかるた大会の選手にもなった。
そしてこの前自分のかるたを作るにあたって、
京都のかるた屋さんを訪れたが、
ここは競技用の公認かるたを作っていて、
江戸時代に描かれた尾形光琳の絵による光琳かるたという、
大変ゴージャスな百人一首も作っていた。
そんなんで百人一首にはいろいろ馴染みがあったが、
今回初めてわかったことは、
勅撰集新古今からは抜かれた、島流し組、
後鳥羽院と順徳院の歌が百人集には入っているのです。
定家は最後の方に後鳥羽院と喧嘩するのですが、
院の歌は高く評価しており、
この勅撰集ができたのは歌を理解し愛好した彼がいたからで、
本当は抜きたくなかったんですね。
定家はお父さんの俊成もそうだったけど、
嫌いな人、好きな人、親父、子ども、そういう個人の関係より、
とにかく歌の内容、良さ、と言うものを、
常に優先しきちんと評価した。
親子揃って、歌こそが一番大事だったのだと思う。

とっても面白かったが、一箇所誤植を見つけてしまった。
こういう本で誤植はちょっと残念。
定家なら見逃さなかっただろう。
本文の印刷用紙がスベスベで気持ちいい繰り心地なのは、
良かった。

「明月記を読む」高野公彦著 短歌研究社
2019年05月27日 | Comments(2) |
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