「のれん」

東芝が潰れようと、日立が潰れようと、
原発にかじりついてるからだ、バカだ、
と思うのは仕方ないけど、
日本を代表するような大手企業が潰れるということは、
社員ではない我々国民にとっても大問題である。
日本の富が失われることだから。
日本の富が次々に外国に持ち去られている事実は、
ちゃんと見なければならん。
と思って、歯を食いしばって世界の、
「債務超過の悪夢」を読んでいるが、
唖然とするほど理解できない…
あほなおばちゃんにはあまりに難しすぎた。

うっすらわかったのは、
監査法人というものの怪しさ。
監査法人と投資銀行が組めば、
企業は潰せるのではないか。
もう一つ驚いたのは「のれん」という言葉が、
真面目な普通の経済用語であること。
東芝が2016年に公表した、
プレス・リリースのタイトルは、
「CB&Iの米国子会社買収に伴う、
のれん及び損失計上の可能性について」
というのである。

企業買収の際の買収価格と、
買収対象会社の純資産価値との差額は、
会計上、一旦、「のれん」として資産計上する。
これは第三者に転売することのできない、
会計技術上の疑似資産であると。
この「のれん」が何やら怪しいのである。
全く舟場の話みたいじゃないか!
(訂正 舟場は間違い→船場)
2017年02月20日 | Comments(2) |

うさこちゃん

ディック・ブルーナが死んでしまった。
つい先だって、このブログで、
「ゆきのひのうさこちゃん」という、
タイトルを使ったばかりだが、
あれはもちろんブルーナの引用である。
この通りの書名の本があった。
現在はミッフィーと呼ばれているが、
あのうさぎは私があの本を手にした時代は、
うさこちゃんと呼ばれていた。
私にとっては今もうさこちゃんである。

ああいうきゃらくたーきゃらくーした絵が、
好きかどうかは分かれるかもしれない。
当時はそういう意見もあったし、
私もどちらかと言うと諸手を挙げて、
好きとも言えなかったような気もする。
でも、キティーが出た時は、
うさこちゃんの勝ちー、と思ったものだ。
うさこちゃんの可愛さの源は、あの顔の輪郭である。
幾何学的っぽく見えるが、あの線は探って探って、
ここというところで決めた線である。たぶん。
非常に有機的な味のあるラインである。
類似する絵本は数あれど、
やはりうさこちゃんには元祖の貫禄がある。

合掌
2017年02月18日 | Comments(0) |

民主主義の人気

「世界」にもう一つ民主主義に関する、
世界的な統計調査の記事がある。
「民主主義の脱定着へ向けた危険」
タイトルがなんかちょっと変な気もするが、
メルボルン大学とハーバード大学の先生の、
共著の、浜田江理子氏の翻訳である。

アンケートの分析だが、
アメリカとヨーロッパで同様の質問をする。
アジアのものはないが、
これが日本とも完全にシンクロしている。
言えることは民主主義に対する支持の低下、
権威主義、軍政に対する支持の上昇である。
過去30年のアメリカの数字で、
非民主的の代表と言える「軍政」が、良い、とても良い、
とする人は増え続けている
現在では六人に一人。
特に富裕層で急速に増加している。
この傾向は富裕な若者の層で特に強い。
1995年の調査、軍による統治が良いと答えたのは、
6パーセント、それが現在では35パーセントである。
ヨーロッパでは6パーセントから17パーセント。
これは民主主義を憎んでいるかの様な現政権を、
支持する若者が、東大に多いという、
日本の状況とも重なっているように思う。
いま手元にある富を1円たりとも他の人のためには使いたくない、
と考える人々が、
民主主義を嫌っているんではなかろうか。

ヨーロッパではやや緩やかな変化ではあるが、
世界的な傾向である。
全世界的に民主主義は支持を失いつつあって、
ここまでくると、
始めるのは大変だなぁ…と弱気になる。
2017年02月16日 | Comments(0) |

バカにされてばっかり

親切な友のおかげで又、
天正少年使節のテレビの録画を見ることができた。
しかしだ、なんで最近の番組は、
あんないい加減な再現ドラマを絡めるのか。
場面の設定の信ぴょう性のなさで、
かえって事実から遠ざかる間違った印象を植え付ける。
せっかく星野さんの話を聞こうと思ったのに、
嘘くさいラガッツイが海辺を歩いているシーンなどに、
時間を食われて、肝心の内容が薄くなってしまった。
人をバカにしとるのか?
ああいうものがなぜ必要か、心から理解できない。

この前娘とも話したが、
「土と内臓」のイントロの部分、
やけに馴れ馴れしい文体で、私は初っ端から、
えっ…と、愕然として、
一瞬止まって、翻訳者の名前を確認したりした。
本文に入るとだいぶ良くなったので、
許してやったが、ちょっとギリギリ。
初っ端から硬い文体だと、
本が売れませんよと、うるさく言っている、
編集者が横にいるのかな。
あまりにも文体が砕けすぎると、
内容の信頼性さえ揺らぐし、
こっちはまじめなんだよ、と不愉快な気分になる。
文体にも映像にもTPOというものがあるだろう。
2017年02月14日 | Comments(0) |

子どもの貧困

子どもの貧困と言うけど、
親の貧困でしょう?と思っていたが、
やっと真相が分かった。
一般に貧困の問題を解決しようとすると、
「自己責任!」と大合唱する、
人々が大量に湧いてくるのだ。
貧困問題に関わる人は、みんな、
この責任ある立場になる前の子どもを、
突破口にして貧困問題に立ち向かっているのである。
なんか、なるほどだけど、情けない気持ちにもなる。
子どもを盾に、文句を封じなければならないとは…

それにしてもやるべきことは多いのに、
福祉を切り詰めて、
オスプレイは世界一の値段で買うのだからねぇ。
地道に取り組んでいる人には頭がさがるよ。

子どものための分野も、
地方の小さい自治体で頑張っているところが多い。
彼らにとっては少子化対策という意味合いも強いが、
「子どもは地域の宝だから」と、
少ない総予算の中から大きな割合を、
子どもたちのためにさいて、
給食の無償化などに取り組んでいる。
どんな理由にしろ、それはやはり嬉しい言葉である。
2017年02月13日 | Comments(0) |

「世界」から貧困の話

駅前の大入道のおっちゃんが、
手術することになったと、店を閉めて以来、
もう1年近いんじゃないか。
戻ってきてくれない…
わたしが行くとすぐ棚から世界を抜いてくれた。
あんな小さなキオスクで、毎月5、6冊は並べていたから、
困っている常連さんも多いだろう。
おっちゃんがどうしているのか、
消息がわかればお見舞いに行きたいぐらいである。
近隣ではあそこしか「世界」が置いてなかったから、
今日は街まで世界を買いに行った。
そしたらもう次のが出ていて、二冊買うことに…

まずは子どもの貧困の特集。
貧困の現場の話が凄まじく、まさに安達ヶ原である。
子どもの貧困はその親の貧困であり、
老人世代の貧困もかなり深刻である。
生活保護に関して言えば、
最も多いのが老人の世帯である。
しかしこの生活保護からして、受ける資格があって、
生活は十分苦しいのに8割近くが受けていない。
とりもなおさず生活保護バッシングの「成果」である。
不正時給は0.4パーセントほどで、
そのほとんどが親に内緒で、
子どもがアルバイトをしたケースだと読んだ事がある。
これが不正と呼ばれ、叩きまくられる現状は、
わたしから見ればどうかしていると思うが、
これらの状況から、相談窓口で、
生活保護だけは受けたくないと激昂する人もいる。
小田原市役所の話もあるように、
そんなにまで叩かれ馬鹿にされるくらいなら、
いらないという気持ちの方がわかるほどだ。

持病や知的障害や、精神障害といった、
困難を抱えながら、どのような公的福祉にも頼れずに、
ただ赤貧に甘んじて非常に孤独な中で生きている人たちが、
この日本にはいっぱいいる。
中世の闇よりも、
よほど暗いのではないかと思う。
寒い夜に読むに、全然うってつけではない。
2017年02月11日 | Comments(2) |

鬼の研究 一つ目の鬼

異族の中には、すぐれた知識をもつものもあり、天文の知識などでいろいろ未来のことを予知したり、あるいはすぐれた医術の知識をもつものなどもあった。西域からは、そのような異能の者がきた。そのようなものを神に仕える【臣】とするとき、片目を破ることがある。

白川静botより

この前の「鬼の研究」に、
日本の書物に初めて出てきた鬼として、
出雲国風土記天平5年(733年)にある、
一つ目の鬼の話が出てくる。
一つ目小僧の原型と思われるが、
あの真ん中にいっこ目があるイメージではなく、
片目というのが本当である。
柳田國男の詳しい引用が出ているが、
これはこの白川さんの話と内容はほぼ同じである。
神様の所有物としての刻印であり、
逃げないようにという対処でもある。

わたしはすぐ白川さんの本の話を思い出したが、
どこに書いてあったかわからなかった。
そしたらうまい具合に白川静botにこれが出てきた。
臣という字はもともと一つの目の形である。

追われてか、逃げてか、山に入った片目の臣が、
里人から鬼と恐れられたのではないか。
山はアジールであったから、
世間で生きていけなくなったものたちが、
隠れ住んだものであろう。
これも寂しく寒々とした話である。
2017年02月11日 | Comments(0) |

「世界」からデトロイトの話

世界でもう一つ面白かったのはデトロイトの事。
デトロイトは市が破産して、
公共の財産をどんどん売っぱらって、
公務員が減って、公共の仕事も回らなくなり
住人はどんどん出て行って、
大変荒んだ状況になっていたわけです。
それはほんの数年前のことだったが、
なんと現在空前の活気を呈しているらしい。

若い不動産関係の実業家が、ほぼ一人で動かしている。
どんどん空きビルを買って、
手を入れて新しい起業家に貸す事業を成功させている。
街中のビルはほとんど彼の持ち物になっている。
記事では、「街はものではない」
という疑問を挟んでるけど、
この彼の場合はデトロイトの出身であり、
この街に愛着を持っているから、
一般の商売の投資では避けるような、
リスクのあることもやるという。
アメリカのメディアは好意的に書いていたりもする。
要するに郷土愛と商売の二本立てで、
都市を丸ごと手に入れてしまったというような話だ。
なかなか興味深い。
アメリカではこれとは違うが、公務員がほとんどいない、
民間企業が運営している市もある。
この場合は豊かな住民が、必要なサービスの類を、
民間の会社から買っている。
新自由主義が行き着く先は、こういう全て民間企業がやり、
公共という概念がなくなることである。

都市はものの集まりだけど物ではない、
というのもわかる気もする。
都市には人間が含まれていて、人は物ではないから。
しかし街は自然発生的にできるばかりでもない。
企業城下町というのもある。
問題はコミュニティー全体のための仕事を、
誰がどういう形でやるかである。

インデアンはそうは言わないが、
現代では土地は実際ものだからね。
サービスという言葉を使えば、
それも確かに現在ではお金で買えるものである。
コミュニティー全体のための仕事は、
サービスといえるのか。
独裁者のような個人が街の実質的な持ち主になれば、
中世の領主様と農奴みたいな状況にならないとも限らない。
やはり公共という事をどういう風にかんがえるか、
もしくは考えないか、という話になる。
意外に難しい深い問題である。
2017年02月08日 | Comments(0) |

EUとイギリス最終回や

ここからはかなり専門的な経済の話になるので、
私のおぼつかない理解のかぎりであって、
間違いもあるかもしれないがお許しを。

EUは今や参加国がどんどん増えて、
それぞれの国の事情は様々である。
ドイツのようにしっかり稼いでいる国もあれば、
イギリスに関しては常に貿易赤字であっても、
金融で儲けていた。
いいとこがあんまり無い国もある。
だから国民の必要とする政策は、違うはずであるが、
EUは国ごとの自由な政策決定を許さない。
そこらへんに牛耳っている皆さんの思惑が出る。
EUの要求を呑んだギリシャは、
GDPを25パーセント減少させた。
スティーグリッツも非難しているように、
国民がごっそり死ぬでもしない限り、
こういうことは普通おこりえない。
ギリシャ人の稼いだお金は、
誰かに奪い取られたのである。

イギリスのシティーとアメリカのウォール街、
これが世界の金融を動かしている。
ロンドンには、JPモルガン8000人、
バンク・オブ・アメリカメリルリンチ4500人、
シティ7000人、クレデイスイス5000人、
ゴールドマンサックス5500人、
モルガンスタンレー5000人、ドイツバンク7000人、
UBS4000人、など約7万人がいる。
これの他に法律事務所保険業務など、
投資銀行とセットで働く人たちがいて、
これらが移動する場所はないだろうと。

投資銀行にとって現在利益の中心は、
企業合併、企業買収である。
株や金融商品あたりまでならなんとか想像ができるが、
このM&Aと言うのは誰の都合で決定され、
どこらへんにお金がかかるのか、
私にはよく理解できない。
今、東芝や日立がこのM&Aで大きな損を出したらしいが、
多分その損失分はそっくり、
これらの会社に流れていったのである。
まさに元凶である。

大きな戦争を経て、その反省を踏まえて、
始まったEUであるが、
作られた経済格差が、難民を生み、移民を生み、
民族差別や排外主義が再び巻き起こっている。
実に情けない話である。
ま、この話はおしまいや。
2017年02月03日 | Comments(0) |

EUとイギリスのまた続き

2017020209114007d.jpeg

世界に出ていた表をそのまま写真に撮ろうかと思ったが、
色鉛筆もたくさんあることだし、
よこ組にして書き直してみた。
新しい試み、笑。
(ちゃんとスキャンしたほうがよかった?)

イギリスが移民にとってなぜ魅力的かは、
その社会保障制度にある。
政府は必ず嘘をつくと言うのは、
堤ミカちゃんの本のタイトルだが、
嘘ともう一つの技は内緒である。
消費税を上げるときには散々日本の税金は高くないと言うが、
税金が高いか安いかは、
それの使われ方と強く結びついているので、
それだけを云々(うんぬん)しても無意味である。
(↑アベソーリー用)

全く知らなかったが、イギリスは結構すごい。
サッチャー政権がこれをCに近づけようとしたわけだが、
そこまで崩れていないと言う。
あの時の大反対の騒動の意味が今頃わかった。
租税中心と言うのは、北欧にあるようなタイプで、
年金なども税金から支給される。
我々は年金も保険料も税金とは別に自分で払っているが、
それでもろくにもらえない。
日本はCにかなり近いBではないかと思う。
Cはもはや福祉国家とは言えない。

ここでは触れていないが、教育費や、住居費、
公共交通機関の料金や、電気ガス水道電話などの料金、
などを考え合わせると、
日本はそれらがかなり高いですから、
日本の庶民の生活は最低のレベルだと思う。
非常に高い料金を黙って自己責任で支払っている感じ。
それでも日本すごいと喜んでいる人は、
どうかしている。
喜びながらお鍋の具になるしかない。
2017年02月02日 | Comments(0) |

イギリスとEUの話続き

そして労働者の状況はどうかといえば、
移民に職を奪われ、不満が募っている。
意外にもEU圏外からの移民はコントロールされているが、
圏内からの移民が増え続けている。
例えばギリシャやスペインから。
移民は自国で食べられないから出稼ぎに来るわけだ。
これが、例えばギリシャの話でいうと、
財政破綻、金融危機で、失業率は60パーセントを超える。
スティーグリッツはこう批判している。
「欧州委員会、IMF、ヨーロッパ中央銀行が、
ギリシャに強要した経済改革プログラムのせいだ」と。
また、これもあっけにとられる話だが、
2004年から2014年までEUの大統領とも言われる、
欧州委員会委員長を務めた、元ポルトガル首相、
J.M.Dバローゾは、退任後、
ゴールドマンサックスのヨーロッパ法人会長になる。
でたっ。
ゴールドマンサックスは、
EU加盟時のギリシャ政府のアドバイザーであり、
EUがギリシャ制裁する際のEU側のアドバイザー、!
ギリシャの超緊縮政策と引き換えに、
EUが支出した金は、
ゴールドマンサックスに還流したのであり、
この時の会長がバローゾであった。
寄ってたかってギリシャを食い物にし、
移民を作り出していたのは、
EUを牛耳っている人たちなのである。
EUも、だし…
2017年02月01日 | Comments(0) |

「世界」1月号から

今「世界」で、EUとイギリスの話を読んでいるが、
伊東光晴という経済学者のおじさんと、
超意見が合うことがわかった。

これはかなり重要な話が出てくるので、
何回かに分けて紹介する。
要するに難民にしても移民にしても、
作り出している人は同じエスタブリッシュメントである。
現実の難民の処遇の話と、難民問題は別である。
スタバが難民の雇用をきめたと、
ほめそやしている人もいるが、これも典型的な話。
スタバは完璧に、難民を作り出している側の企業なのだから。
こうやって騙されているうちは、解決は遠い。
2017年01月31日 | Comments(0) |

葵上、恥辱

葵上の六条についてもう一つだけ。
般若は嫉妬に狂った女の面なのだけど、
六条の心にあったのは、
どちらかというと恥の感覚ではないかと、
馬場さんは書いている。
これはものすごく納得できる。
年甲斐もなく光源氏に入れ込んでしまったこと、
その感情に支配され生霊にまでなってしまった。
そして光その人に、
自分の生霊であるということが知られてしまったこと。
これらのすべてが恥ずかしくいたたまれなかった。
六条の心の闇の中にあったのは恥辱であったろうと。
六条という人は賢そうな感じで誇り高い人そうだから、
これは辛いんじゃなかろうかと、
私は完全に気の毒になった。
最後は穏やかに、僧の読経に唱和してお終いになるのだが、
その時にもあの般若の面を着けているわけである。
そこが何とも悲惨である。

恥の感覚は人の行動を規制する要素になる。
それは昔も今も世界中で変わらぬ部分と、
その時代の文明の常識なども絡んで成り立っている。
人は恥辱によって死ぬこともありうるのではないか。
恥の感覚のない人間は長生きしそうである…
2017年01月28日 | Comments(0) |

「鬼の研究」より、般若について

鬼の研究には能の話がたくさん出てくる。
般若は、角を生やした恐ろしい形相の面であるが、
嫉妬に狂った女という役所の面である。
ちょっと見とても女に見えないが、
ヘアスタイルは、真ん中分けのロングヘアで、
乱れたおくれ毛などの表現があり、
なかなかに恐ろしいのである。

般若にも本成、中成、生成(なまなり)などの、
程度の差があって、この尺度の基準は蛇度である!
生成は、角も短く怖さも、
般若の五割引という感じである。

「道成寺」に出てくる女性は蛇になってしまうので、
本成、真蛇という面。
怖さはさほど変わらないきもするが、
人間的な要素がより減る感じ。
「葵上」の六条は中成、一般的な般若である。
生成りは「鉄輪」かなわ、という曲にだけ使われるらしい。
これにでてくる女性は男を殺そうと、
枕辺に出てくるが、情が残っていて果たせず、
帰っていくのである…

般若は怖いけどもっと怖いのは小面という説。
あのよく出てくる若い女の面である。
モナリザのアルカイックスマイルは有名だが、
小面も同様の謎の微笑を浮かべている。
実にこれが光の当たり具合、角度などで、
様々な表情に見える。
これが芝居の中で、そこでわらうか!…という、
効果が出て、ものすごい怖いことがあるという。
なるほどである。

私はあまり能を見ていないが、この前読んだ三島にしても、
この本にしても、安田先生の話にしても、
やはり能を見ようかなぁという気になる。
私は耳が悪いので聞き取れないのだが、
謡曲の台本があればなんとかなるかも。
2017年01月27日 | Comments(2) |

鬼捕まえた

「鬼の研究」があまりにも面白いので、
やっぱり買おうかなぁと、ちょっと密林をば覗いたら、
すぐ出てきて、820円とかで買えるとわかった。
なるべく密林使わない主義なので、
日本の古本屋の検索で探そうとしたのだが、
あるはずだけど、見つからず、
格段にアマゾンが便利なので、仕方なく注文した。
ヤル気儲ける気の本気度が比較にならない。
送料無料の特急便をやたら選択させたがっているが、
あれのおかげでひどい労働環境を強いられている人を思うと、
とてもじゃないが選ぶ気にならない。
私はゆっくりでいいんだよ。
クレジットも使いたくないから、コンビニ決済で。
しかしなぁ、古本は絶対密林が便利だなぁ。
2017年01月26日 | Comments(0) |

「鬼の研究」

寒いなぁと思っていたら、
当地でも雪がぱらぱら降ってきました。

私は誰かから回ってきて、
読まないまま埋もれていた、
「鬼の研究」 を読み始めました。
この本は大分前、単行本の状態の時、
本屋で欲しいなぁと見ていたものですが、
文庫本になって回ってきました。
古い本ですが、大変面白い。
私が見ていたのは民俗学関係の棚でしたが、
著者の馬場あき子は歌人です。
歌や文学作品の中の鬼が多数登場しますが、
民俗学にも詳しく、大変幅広く網羅しています。
何より、「鬼の人間性」に、
ぴったり寄り添った理解が素晴らしい。
鬼は悲しい生き物です。
この前読んだ三島の本にも出てきた新古今和歌集の序文や、
この前見た三番叟の話も。
もうすぐ豆まきでもあるし、実にタイムリー。
鬼の涙に関して、この前の安田先生の、
女面の金泥の話とも絡みます。
最後の解説は谷川健一で、適切なべた褒めです。
2017年01月20日 | Comments(2) |

アフリカ

古い「世界」で、自衛隊が、
「駆けつけ警護」という謎な名前で、
派遣された南スーダンのことをちょっと読んだ。
知ってはいても、やはりアフリカの問題は、
ものすごく暗くなる。
19世紀、コンゴはベルギー国王の、
「個人的な持ち物」だったそうである!
はっきり言って、元はと言えばかつての宗主国様が、
引き起こしている事である。
独立したって言っても、全く背景は変わっていない。
白人はどうしてこんなに「偉い」んだろう。
分断して統治する、そのセオリーが、
今も引き継がれている。
アメリカの仰せの通りに、
アフリカでの軍隊の展開に、日本は駆り出されている。
ずばり戦争屋の手先である。
戦争屋のパシリである。
2017年01月14日 | Comments(0) |

「チベットの先生」おまけ

中沢さんが学んだのは、
チベット仏教の中のニンマ派と呼ばれる、
瞑想による修行を大事にする宗派です。
これは他宗派や日本人研究者などから、
その当時から馬鹿にされる傾向がありました。
まぁ、そうだろうなぁと思います。
時間の無駄、的な批判もあった。
それに仏教の思想的体系を書物から学ぶとかのほうが、
上等の感じがする。
しかし、中沢さんの出会った行者の中には、
人から人へ、行為と肉声で伝える、
そして自身の瞑想体験によって、
それを自分のものにするというのが、
一番良いと考える人もいた。

今世の中で一番軽視されているのが、
こう言う考え方ではないかと思います。
合理的にスマートに進まないかもしれないけど、
繰り返すことで自分の体で覚えるということでしか、
成し遂げられないこともある。

ケツン先生は家族とも離れ離れになり、
難民となってブータンを超えて、
インドの難民キャンプに、追われていくことになるが、
そこで生まれて初めて身分証明書をうけとる。
自分が何者であるかこの紙に書いてあると。
先生の、「なんともふしぎな仕組みだなぁと、
私はあきれたり感心したりしたものだ。」
と言う感想が可笑しい。
だって先生はそれまでの人生をかけて、
自分とは何者であるかを探し続けてきたわけだ。
それが、紙一枚に書かれていて、
それだけが信用に足るものであるというのだから。
これは本当に現代社会を象徴しているなぁと思った。
人は何より紙切れをありがたがる。

まそんなわけでおしまい。
2017年01月14日 | Comments(0) |

「チベットの先生」1

大変面白かったので、少しだけ紹介する。
このチベットの先生とは、中沢さんの師である、
ケツン・サンポ先生である。
この本の主な部分はケツン先生の書かれた、
ご自分の子供の頃からの修行生活の回顧録である。
それに中沢さんが少しだけ、
自身との関係を書き足したものである。

ケツン先生は11歳で仏教の道に入る。
チベットでは、多くの子どもたちがお坊さんになるが、
その修行は厳しい。
師から教えを受ける時に、その前行として、
たった一人山の洞窟での修行に入る。
五体投地という身を投げ出す祈りがあるが、
これを1日数千回、一ヶ月かけて10万回まで繰り返す。
こういう数字に科学的根拠があるかと言えば、
そんなものはないだろう。
しかし、これを続けていくうちに、
数日もすればずんずん軽く感じられるようになり、
やがて頭の中に晴れ晴れと青空が広がるような、
清々しい気持ちになるのだそうだ。
小学生の年齢の子どもである。
山の中の夜は最初は本当に怖かったようだ。

チベット仏教の目指すものは、
自分の心から、現世的な利益を求める心、
妬みや羨む心などの、
いわゆる煩悩を少しづつ取り払い、
自己愛からの脱却に至ることである。
そして全ての生き物の幸せのために、
役に立ちたいと考えること、菩薩心を得ること。
そういう境地に至った、
お坊さまや行者が何人も出てくるが、
そういう人は皆穏やかで優しくニコニコして、
そばにいるだけで幸せな気持ちにさせられるらしい。
そもそもそういう事を一生かけて目指そうと考える人が、
この世にこんなに沢山いるという事、
そしてそういう人が、
多くの人々の尊敬を集めているという事が
今の日本にいてはとても考えられない…
精神生活の気高さが眩しく、目がしょぼしょぼする。
青い広い空の下で真っ白く輝く雪山、
見たことないけど、チベットの雄大な風景のような…

中沢さんの感想にもあるが、
学ぶという事は何も本や講義で勉強する事ではない。
本物の先生は言葉すら必要なく、
その仕草やちょっとした表情などで、
我々を、凡人であっても、
大きな影響を与えるものであると。
中沢新一について嫌いな人も多いかもしれないが、
私は昔から案外気に入っていた。
こういう先生たちの元で、
修行した時代があったのかと、今更ながら知った。
中沢さん自身はリンボチェにはならなかったけど、
こんな素晴らしい先生の教えを受けたのだなぁと。
やはり弟子になるにはそれなりに資格がいるから。
感覚的なものにせよ。
そこにちょっと感動した。
2017年01月13日 | Comments(4) |

「土と内臓」おしまい

この前書いたように、
単糖類の食べ過ぎは良くないんだけど、
動物性蛋白質の取りすぎも良くない。
胃で胃酸や膵液に分解され吸収される分にはいいのだが、
処理能力を超える分が大腸に回ってくると良くない。
大腸では動物性タンパクは、
あまり良くない分解のされ方をする。
窒素と硫黄を含む化合物できる。
これらの物質は腸壁を傷付ける。
腸というのは、
さすがに漏れるとやばいものも、
いっぱい入っている袋なので、
常に健康な細胞で隙間なく覆われていなければならない。
だから細菌の作り出すSCFAは、
腸壁の健全化に日々励んでいるのである。
腸壁が悪い刺激を受けると、正しい細胞が作られず、
そういうことが続くと大腸ガンの原因になる。

大腸はとにかくすごい事を日々やっているのであった。
やってるのは私たちじゃなくて、
別の生き物だってとこがアレなわけだけど。

まだまだ書く事はいっぱいあるが、
本がたまっているので、ここで終わりにする。
この本はいろいろ隅々のディテールも面白い。
ダンボールを畑のマルチに使う話とか。
図書館にも入っているかも、なので、
興味のある人は実際読んでみるのがおすすめである。
一般向けなので全然難しくない。
訳もいいよ。「失われゆく」より薄いし。

「土と内臓」
デイビット・モンゴメリー+アン・ビクレー著
築地書館 2700円なり
2017年01月08日 | Comments(0) |
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