「暗夜行路」

今「暗夜行路」を読んでいる。
初めてである。
これは1922年が初版である。
大正11年という事だが、
小説とはいえ、生活が今よりずっとリッチで、
羨ましい。
本当になんというか、豊か。
これは東京が舞台で全国的にこうだったとは思えないが。
以前も大正時代の話で、舞台は大阪で、
リッチだなぁと思った事がある。

人々の通信手段は、借りてかける電話と電報と手紙、
あと実際に家に行く。
特に不便のようにも思えない。
人々が連れ立って遊びに行ったり、
食事をしに行ったり、お酒を飲みに行ったり、
よく出歩く。
今の日本でこういう事はなかなかできない。
特に若い人は。

友人が松茸のカゴを下げて訪ねて来るなんていうの、
よだれが出ちゃう。
松茸なんて何年も食べてないよ。
子どもの頃は、松茸をもらって、
家に帰ったら家中あの香りでいっぱいだった記憶がある。
私の子どもの頃はまだ本当に香りの強い松茸があった。
なんか食べ物の話ばかりであれだけど。笑

これは長い小説で、古い文庫本で字が小さい。
字のサイズは今の本に比べると4分の1くらいだ。
ゆるゆると読む。
2017年10月18日 | Comments(0) |

「これがすべてを変える」9

このイギリス、チチェリーホールでの会議の章には、
二回日本の話が出てくる。
この会議が開かれたのは、2011年。
会議の2週間前に、福島の原発事故が起きている。
会議の開催中もニュースのトップは、
ずっとこれについてであったという。
「それでも、この大惨事に対する自称ジオエンジニアたちの認識は、
原発反対派がこの危機に乗じて、
新規の原発建設を阻止しようとするのではないかと、
心配する程度にすぎなかった。」
地球工学のハイリスクな野望は、何があっても、
止まることができない…

もう一つ。
この計画がどんなにリスクが大きくても、
いったん大規模実験が行われれば、
運用まで時間はかからないだろうことは、
過去の事例からわかっている。
「マンハッタン計画に携わった科学者の多くは、
抑止力としてのみ使われる核爆弾を製造していると思っていたが、
最初の核実験トリニティの成功からひと月とたたないうちに、
広島と長崎に原子爆弾が投下された」

ネガティブな表現に「後ろむき」という言葉がある。
反対語はもちろん前向きである。
進行方向がどんなに間違った方向でも、
前に進むことこそ素晴らしいというのが、
科学技術信仰の信者の特徴です。
進むことが大事で、足踏みもゆるさない。
こういう価値観を、普通の人々も共有している。
時間をかけてじっくり考えるのもダメなのだ。

昨夜からいろいろやばいことが起きていて、
暗い気分になるが、
地球工学の会議で、二酸化硫黄を撒くには、
飛行機か長いホースかという話題で、
盛り上がっているのに比べれば、
戦争なんてずっとリアリティーのある、
ありふれた事といえるのかもしれない。
2017年09月26日 | Comments(0) |

「これがすべてを変える」7

アメリカ最大の自然保護団体TNCの話は、
本当に腰が抜けた。
テキサスからルイジアナ州の沿岸に広がる、
草原ライチョウの一種プレーリーの営巣地を、
石油大手モービルから譲りうける。
もちろん、危機に瀕した絶滅危惧種を救うためである。
ところがその4年後、TNC自身がここで、
天然ガスの採掘を始め、結果的には、
プレーリーの最後の繁殖地は消滅する。
そんなバカな…
大手環境団体の迷走の話はいろいろある。
新しい環境保護運動という名の企業との連携が、
いろいろ展開される。

京都議定書が炭素税を導入するかに見えた時、
クリントンのアメリカは、
カーボンオフセットを押しまくり、
あげくに決裂し、論争に勝ったアメリカが批准しないという
おかしな結果になる。
カーボンオフセットと言うのは排出権取り引きという、
なんとも言えないもので、私は当時からこれに、
納得できないものを感じていたが、
この目にも見えない権利をめぐって、
大量のプロジェクトが生まれ、地球のいろんな隅っこで、
先住民などがえらい目にあっている。
詐欺のような話は多数。
そもそも温室ガスを排出しても、
これを帳消しにできる他の事で、
ゼロにできるというシステムのようだが、
これは一種の足踏みというか、気休めというか、
気持ち的に圧迫感のない方向に持っていくための、
暇つぶしのような気がする。
とりあえず私にはそんな感じがする。

ま、ここで大体上巻が終わる。
退屈かもしれないけど、まだ下巻についての紹介を続けるので、
悪しからず。
2017年09月22日 | Comments(0) |

「これがすべてを変える」5

私が今頃知ったことを、
とっくに知っていた人も多いと思うが、
本からの要約で少し書いてみたい。

それまでイギリスの多くの工場は、
動力を水力に依存していた。
流れのあるところ、滝のような場所に、
水車を設置してこれを動力にしていた。
水は何しろタダなのでこれは都合が良かったのだが。
スコットランドの技術者、ジェームズ・ワットが、
蒸気機関を開発する。
これは石炭を入れればいつでもどこでも働く。
お天気や水流に左右されない。
工場を不便な田舎ではなく、
人工の多い都市部に作ることができる。
もはや不安定な自然の影響を完全に排除することができる。
そしてこの蒸気機関を船に乗せることで、
それまでの風まかせの航海は過去のものになった。
このことで欧州の植民地支配は一気に加速した。
1760年から1840年の80年で、
イギリスが輸入する綿花は110万キロから、
1億6600万キロへと激増した。
「本国の石炭、海外での奴隷労働という組み合わせで可能になった、
正真正銘の革命であった。」
ワットはこう言った。
「自然は征服することが可能だ、もし我々がその弱点を見つければ」
ワットの巨大な石像が、
ウエストミンスター寺院に建てられたという。
「祖国の資源を拡大し」「人類の力を増大させた」
功績によって。

自然を屈服させるという考えは、
今も化石燃料を支える思想であるし、
グローバル企業が世界の最も安い労働力を探し回ることは、
欧州列強のやっていた植民地支配と、
ほとんど変わらない。
我々はこの革命によって、現在の搾取し尽くすという、
資本主義のコースに乗っかってしまったのである。
2017年09月19日 | Comments(0) |

「これがすべてを変える」3

やはりこの手の本は、
ぐんぐん読み進むことができない。
非常に興味深い内容だし、文章は難解ではないし、
訳も適切である。
ただ、やはり辟易するというかげんなりする。

人間の欲望の強さ、自分勝手、恐ろしいほどの、
他者への冷たさ。
できることはいっぱいあるし、
co2no排出量を絞ることが、
そのまま不幸につながるわけではないし、
どちらかと言うと幸せな形になりうるという予測も、
沢山あるにもかかわらず、
とにかく進まない。先送りばかりである。
そのことに対する苛立ちや、無力感。
そういうものがすごいわけです。
じっとりと疲れる。
どうしようもないから、休み休み読んでいる。

この本のタイトルは、原題では、
This Changes Everything と言うので、
ま、そのままなんだけど、
どうもこの邦題好きになれないのよ。
2017年09月12日 | Comments(2) |

気候変動の話さわり

気象変動の話は、
あまりにも深刻かつ緊迫感のある話で、
ともかくいろんな問題はちょっと後回しにしたい。
しかし実際には、
ソーリーの大嫌いな、きれる女を血祭りにすることが、
テレビの仕事らしい。
公金横領の詐欺師や性犯罪者はほっといて。
どっちにしてもそれやってる場合じゃない…

気象の話が地球全体の生死に関わることなのに、
表に出てこないのは、
表に出すことを必死で止めている人たちがいるからである。
それこそあらゆる汚い手を使っているし、
そしてそれに成功している。
ネオリベの皆さんの経済成長と真っ向から、
対立する対処が必要だからである。
世界の気象学者の97パーセントが、
認めている事実を力任せに無視している人たち。
人間の社会が、誰に牛耳られているかを、
これほどはっきり示す事も珍しい。
日本でもそうだけど、
今ほど人間が構築してきた、
科学や知識や、真実が無力な時代はない。
専門家の意見を一介の大金持ちが、
一蹴し、鼻で笑うのであるから。

人間の脳がどんなに優秀でも、
海水に溶け込んでいる物質が、一斉に気化する事を、
止めることは不可能である。
水を例に取るまでもなく、
物質の態は気温に左右されており、
いずれも気体の状態になると体積が爆発的に増える。
空中に放出された大量の気体は、
もはや誰の手にもおえない。
化学変化や流体力学や複雑なそれらの総合的な、
凄まじい運動がそれこそ嵐のように起こる。
温暖化の結果の例の一つに、
ハリケーンの巨大化が出てくるが、
今キューバを襲っているのはそれである。
極端な乾燥と高温、海水面の上昇、激しい嵐の通り道、
人の住めない場所がジリジリと増えていく。
動物も植物もだけど。
しかし怖いのはいつまでもジリジリではないということ、
ある時点までくると、
一気に加速するということがわかっている。
2017年09月11日 | Comments(0) |

「これがすべてを変える」

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ぞっとする内容の本だが、
その装丁も負けてはいない。
ショックドクトリンもひどかったが、
輪をかけてひどいデザインである。
この斜体どうよ。
てかてか光っているし。
岩波はもう少しデザインについて考えてもいいと思う。
ま、カバーは剥ぎ取ったけど。

気候変動に関する話である。
少し前気象学者の本を読んだが、
気象は複雑で様々な要因が絡んでいて、
これを理解している専門家が、
ほとんどいないという分野である。
ジリジリ変わっていくのではなく、
ある点で爆発的に状態が変わり、
玉突き的に様々な異変を引き起こし、
けして後戻りはできないというのが、
恐ろしい特徴である。
読みがいのある厚さですが、頑張って読みます。
おいおい内容の紹介をしていきます。

ナオミクラインのショックドクトリンについては、
fc2のほうのやまにカテゴリがあります。
これも私が長年変だなぁと思ってきた事柄の、
多くについて明確な説明をしてくれた本で、
衝撃的な数の鱗がおちました。
2017年09月07日 | Comments(0) |

スペインの短い夏さわり

日本中で大手企業だけが、
独占的に大儲けするという案件がぞろぞろ出てきています。
政権に食い込んだ私的諮問委員会などの、
トップグループの会議が、
自分たちだけのためにお手盛りスペシャルサービスをする。
そのきっかけとして、
特区やオリンピックがや地方創生なんていうのが、
フル活用されている。
地方においても地元企業が潤わない、
大企業だけが儲かる体制になってきている。
中小企業や個人事業主が、生きていく場所は、
すごい勢いでなくなってきています。

またスペインの古い本を読んでいるが、
スペインでは他のヨーロッパ、
イギリス、フランス、ドイツなどと全く違って、
第一次大戦の後も、
一般の労働者大衆は常に暴力で支配されてきた。
法律なんていうものは全く機能しておらず、
労働運動をする活動家たちは、
資産家が雇った殺し屋集団によって、
どんどん大量に殺されている。
だから運動家は最初から身を守るため、
殺されないために武装する必要があった。
労働運動は最初から殺すか殺されるかという、
本当に激しいものだったようだ。
本物のアナーキストとはこんなものかと、
その命知らずぶりに驚く。
ポデモスの迫力の源泉はこの伝統かと納得。
思えば南米でもそうだね。
ラテン系恐るべし。

この本は大昔に読んだはずだが、
理解できていたとはとても思えない。
ま、それでもこうして2度目に読めるのは、
その昔読んだおかげでもあるが。
古い本は訳がまともで日本語がちゃんとしてるから、
読んでいて安心感がある。
最近は普通に読める文章だとうまいと褒めそうになる。
ハードルが超低くなっちゃって。
2017年08月25日 | Comments(0) |

「昆虫はすごい」

丸山先生の名著「昆虫はすごい」にかかった。
これは素人が昆虫に興味を持つきっかけになるような、
優れた入門書で、全体的なことから、
あっと驚く珍しい生態までバランスよく入っていて、
実に面白い。

やるき氏が好きなキノコ栽培業を営む蟻の事が、
これにはやや詳しく出てくる。
ハキリアリが有名だがシロアリにもキノコ栽培者がいる。
アリとシロアリは蟻の白いやつと黒いやつほどに、
考えがちだけど、実は、
アリがハチ目、シロアリがゴキブリ目で、
かなり遠い関係にある。
住むゾーンも離れた遠い関係の種が、
それぞれに独自にキノコ栽培にこぎつけたのである!
栽培技術は実に高度で本格的。
土の中に菌床はあるが、別の菌が繁殖しないように、
胸部から出る抗生物質を使って、
お邪魔な菌は排除する。
土壌菌はいっぱいいるから、そういうことでもしないと、
菌床はあっという間にカオスと化してしまうだろう。
人間と違うのは、我々は子実体を食べるが、
彼らは菌糸を食するのである。
菌糸の方がいっぱい取れるから、
わしらもそっちを食べたほうがいいんでないかな。


2017年08月22日 | Comments(0) |

「昆虫こわい」

私はさすがに小松さんのファンだけあって、
小松さんの先生にあたる丸山宗利の本にかかった。
将を射んとすれば、というあれだな。
別に射んとしてないけど。笑

「昆虫はすごい」は知っていたけど(まだ読んでないけど、)
すごく売れた本で、2015年度新書大賞!
11万部突破!とはすごいね。
まず新しく出た「昆虫こわい」を読んでみた。
主に海外に昆虫探しに行く話だが、
さすがに面白いし、もちろん小松氏も同行者として、
随所に登場し、その奇人ぶりが花を添えまくっている。
これは新書ながらオールカラーで、
地味目な好蟻性昆虫の他に、
珍しいツノゼミや美しい蝶もたくさん出てくる。
丸山先生は好蟻性昆虫の日本の第一人者であり、
主にハネカクシが専門で、ヒゲブトオサムシも大好き。
これは本当にかっこいい。
ヒゲの造形が素晴らしい。(私も描いてみたくなった)
またツノゼミの専門家でもありツノゼミの本も出している。
ツノゼミの多様さは恐れ入るレベルである。
昆虫嫌いの人もきっと楽しめる本である。
昆虫学者の仕事は実際過酷だし、
よほどの昆虫好きにしかできないと思う。
小松氏も初めての海外で夢に見たジャングルに行った時、
興奮しすぎて気を失った!
彼らが珍品を発見した時の、爆発ぶりも凄い。笑
丸山先生も興奮が冷めやらずに不眠症になるほど。
いやー、なかなか。

日頃、人々は観察力が足りないと文句を言う私だが、
観察するには少なくとも、どうなってるんだろうと、
疑問に思ったり、知りたいと思うことが必要で、
それが粘り強い観察のモチベーションになる。
そして日頃の観察があってこそ、
いつもと違う状態、普段はいないもの、など、
新発見につながるということがよくわかる。
疑問に思ったり知りたいと思ったりする感覚は、
子どもはみんな普通に持っている。
それを失わずにうまく育てた人が、
面白い有能なイキイキしたおとなになるんだな、きっと。
とにかく生物学者は動物一般が大好きで、
小松氏は鳥では、烏と雀が好き、
丸山氏はクマでは、マレー熊が一番好きとか、
色々私と趣味が一致するところも嬉しい。
2017年08月21日 | Comments(0) |

「世界9月号」

また次の世界を読んでいる。
韓国の文大統領は頑張っている。
日本はアメリカに何一つ口答えせず、
言われたことをハイハイとやっているだけなので、
外交と言っても頭を使う必要が無い。
世に言う思考停止というやつである。
アメリカのような力任せの国の、
言いなりにならないためには、
やはりうんと頭を使わねばならない。
韓国は非常に難しい外交を、堂々と、慎重にやっている。
アメリカと言っても、ワシントンと軍ではまた違う。
なんせ韓国にとって北朝鮮は地続きのお隣だから、
どちらが仕掛けるかに関わらず、
武力衝突は絶対に避けたいだろう。
フィリピンもマレーシアも、揺さぶられながらも、
色々考えていそうだし、中国はもちろん賢い。
そもそも割に可愛い顔で丸っこい金君も馬鹿では無い。
これは別の時に読んだが、彼は独裁者だが、
いろいろなことを正確に理解していると、
西側の彼と接触した人たちは言っている。
反対するやつ嫌い、むかつく、みたいな感情しかない、
日本の彼は、もう比べる相手がいないレベル。
まさに世界一ではなかろうか。
太郎くんも早速お見事な言いなり外交である。
ま、知ってはいたけど。
父上はどういう気持ちで見ているのだろう。
洋平くんはなかなか見識のある男であるから、
ちょっと気の毒。
2017年08月19日 | Comments(0) |

「アリの巣の生きもの図鑑」

先日来若い生物学者の本を、
三冊続けて読んだのだが、
もうダントツにわたしがおすすめするのは、
小松貴著の「裏山の奇人」です。
表紙のグラフィックが目を引いたので、
「バッタを倒しにアフリカへ」のほうが、
売れたと思うけど。
(平積みになってましたからね。)

小松氏の学者としてのスタンスは、
本当に尊敬に値するものですし、
彼の捕虫テクニックの素晴らしさは他の追従を決して許さない。
昆虫学者は昆虫を捕まえなくては研究ができませんから。
そして人柄も大変好ましく、文章もうまいです。
(褒めまくり、笑)
彼の専門とする蟻と共生して生きる生物の、
生態は生物多様性なんていう言葉が、
もの足りないほどの、ワクワクするような、
不思議に満ちています。

南米で軍隊アリの行進を観察する場面では、
私もそに場にいたように呆然としてしまった。
軍隊アリの破壊力は凄まじいので、
黒い川のような行軍の道筋に当たる地面に住む昆虫は、
察知するとワラワラと逃げ出すのですが、
この逃げ出す昆虫を狙って、
アリドリという鳥がやってくる。
私はこの鳥のことは偶然知っていたのですが、
こういう場面でこういう風に採餌するのかと初めて知った。
(これはオスとメスが青と赤で別の鳥のように違う。)
また逃げ出すゴキブリに産卵するハエが、
これも行列目指して寄ってくる。
ハエは昼行性でゴキブリは夜行性なので、
軍隊蟻の行進は二者が遭遇するまたとないチャンスなのです!
ハエは蟻に直接絡む訳ではないが、
こういう形で依存しているのです。
(筆者が完全に惚れてるのはメバエというやつ)
鳥や虫の糞を狙ってやって来る蝶も華を添える。
様々な利害関係者たちが勢ぞろいして、
著者が言うところの、天国か地獄かわからんような、
凄まじい阿鼻叫喚の場面が展開する。
(ビジュアルだけでなく彼らが出す音の総体も凄いらしい。)
関係は食べる食べられるといった、
単純なものだけではないとこがすごい。

という訳で、
小松貴さんの「裏山の奇人」を二回連続で読んだら、
やっぱりこれは買わねばいかんあなぁと思って、
世界でも珍しい好蟻性昆虫の図鑑、
「蟻の巣の生きもの図鑑」を買ってしまった。
紀伊国屋にあるかなぁと思ったらあっちゃったので…
私ははっきり言って小松貴さんのファンです。
はい。

日本のこの手の図鑑では珍しく、
レイアウトデザインがすごくきれい。
小松氏も大活躍の昆虫の写真が、
非常に美しいせいもあるが。
小松氏は新種をバンバン見つける天才生物学者だが、
写真の腕もいける。
このレベルの昆虫写真は逆に専門家が撮るしかないわけだ。
どこにいるかわからん地味な虫を、カメラの腕は良くても、
専門知識のないカメラマンには撮れないだろう。
見つける事ができる人が撮るしかない。
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2017年08月16日 | Comments(0) |

「暮しの手帖」

今日は婆さんのものと思われる、
「暮しの手帖」を何冊か読んだ。
どなたかがプレゼントしてくれたもので、
カードが入っている。
カードが入ったままになっているところを見ると、
婆さんはさほど熱心な読者ではなかったようだが。
この雑誌は実家の母が定期購読していたので、
私は馴染みがある。
実になんともいえず懐かしい。
これは編集のコンセプトがはっきりしていて、
良い雑誌であるから末長く続いて欲しい。
読むところが多い。
料理のページも良いヒントがある。

太郎くんというダウン症の男の子の、
就職活動の記事をを読んだ。
母親の手による文章である。
彼はデニーズに見事に就職が決まるのだが、
そこに至るまでの実習の様子、
養護学校の先生や受け入れ先の人達など、
親を含めて彼を取り巻く人々の様子や、
本人の奮闘ぶりが、実にリアルに描かれていて、
結構長いが面白く読んだ。
私はファミレスというものにあまり行かないが、
中で最も好感を持っているのが、
まさにデニーズである。
これを読んでますますファンになった。
良い企業である。
2017年07月29日 | Comments(4) |

「京都の庭と風土」続き

お庭の本が面白くて腰が抜けた。
こう言う事だったかと、
今更いろんな事が合点がいった。
広い敷地の庭から、禅宗が入ってくるともに、
抽象的なミニマムな庭ができる。
禅宗は日本の文化に非常に大きな影響を与えたんだねぇ。
禅宗が持ち込んだのはあと、お茶の種。
これが茶道の始まりになる。
盆栽も禅宗のもたらしたもので、
小さな盆の上に世界のエッセンスを凝縮する考え方は、
枯山水、石庭と同根である。
お茶も盆栽も最初はお坊さんのやる事だった。

庭を作る要素は池、滝口、流れである。
かつて水源から土木工事をして水を連れて来ていたわけだが、
後には石の組み方で滝口を作り、
白砂が池や流れを作り、
液体なしに水を感じさせる庭ができた!
「作庭は、自然石や自然形の樹木を用いて、
空間に山水の絵画を立体的に描く事」だと、
この著者は書いている。
様々の石を室町時代にすでに四国や南紀から、
運んできたという。
牛が46頭で引いてきたという話もあった。
以前行ったイサムノグチの美術館は、
四国の高松のそば、石の産地であった。
きっとあそこからも大きな石が京都に運ばれたのだろう。
あんな重いものをねぇ。
あと、足利義政のお庭好きが呆れるほどだった。

この本を読んで昔見た桂離宮の事を思い出した。
母がまだ生きていた時、母と姉と一緒に行った。
私はことのほかその垣根が印象に残ったのであるが、
ついにそれが桂離宮独特の桂垣、桂穂垣である事がわかった。
生きた竹で編んだ垣根や竹を使った美しい塀である。
私はあの時、入る前に実は垣根にまず驚いたのである。

この本を読んで、
また行きたい場所が増えちゃったじゃないか。
2017年07月29日 | Comments(0) |

「京都の庭と風土」

じいさんの書棚から幾つか抜いてきた本があって、
一冊はレイチェル・カーソンの「海辺」。
これ「沈黙の春」の人で、結構面白そうなんだけど、
どうしても訳文が気に入らない。
(訳者の献本なんですけど…)
もう一つは「京都の庭と風土」という、
かなり古臭い外見の本。
著者は中根金作さんという造園家で、
京都の有名なお寺の修復をしている人です。
先日京都に行った時に、
石峰寺という若冲の五百羅漢のあるお寺と、
東寺に行ってきたのもあって、
どれどれと読みはじめたが、これが意外に面白い。
お寺に行ってお庭を拝見するが、
特に専門知識もないので、
どうしても建物や仏像に気を取られてしまう。
これを読んでいやーなかなかにに深いじゃんかと、
今更ながら感心するばかり。
当時の竜谷時の敷地の広さに呆れる。
亀山天皇の別邸のあったところを、
お寺にしたわけだけど、借景の山まで含んで寺領である。
はるか彼方の山に登って、ちょうどいいところに、
桜を植えてきたりね。
これは網野さんの本に出てきたけど、
明治政府は寺領をうんと取り上げた話が出てきたけど。
なるほどこういう事かと。
2017年07月28日 | Comments(0) |

これも世界から

フィリピンのミンダナオ島で、
ISが暴れまわって、
ドゥテルテ大統領を揺さぶっている。
彼がモスクワにプーチンに会いに行った日に、
まずは騒乱が始まった。

フィリピンのIS勢力は入念に準備され、
膨大なアメリカ製武器で武装した、
各国から集まった勢力である。
アメリカに対して歯に衣着せぬ発言をし、
ロシアに接近するとどうなるかという事。
ISの使われ方は共通している
便利な脅し用のテロ軍団である。

こういうめちゃくちゃはいつまで続くのか。
日本も露骨な対米従属を少しでもやめたら、
テロが始まるのだろうか。
2017年07月26日 | Comments(0) |

世界から、国家戦略特区について

今月号はなんか中身が詰まっとる。
「国家戦略特区の実相とは」という座談会が優れている。
郭洋春、那須りえ、内田聖子の三人は、
TPP問題でも常に重要な発言をしてきた人たちで、
私的にはおなじみかつ信頼できるメンバーです。
那須さんは大田区の区議ですが非常に詳しいし、
話が分かりやすい素晴らしい人です。
このレベルの分かりやすい対談を、
国民全員が読めるといいんだけど。
そう長くもないし、難しくもないし。
これ新聞かテレビでもやるべきと思う。
しょうがないから少し紹介するか。

「特区」という制度は小泉政権で始まり、
小泉時代とやや趣向を変えて国家戦略特区として、
第二次安倍内閣で2913年12月に施行されます。
(別の記事の中で小泉は墓場に持っていくしかないことを、
たくさんしてるという話もあったけど、
日本が世界の新自由主義者に国を開き、
国内のネオリベに道を拓いた張本人はやはり小泉である。
彼の反原発はせめてもの罪滅ぼしなんじゃないかと、
私はいつも感じている、そんなんじゃ済まないけど…)

現在全国に10箇所。
東京圏、関西圏、沖縄県、新潟市、兵庫県養父市、
福岡市・北九州市、秋田県仙北市、仙台市、愛知県、
愛媛県今治市・広島県
養父市、これは「やぶ」と読む。
なんか特区のインチキ話はモリとかカケとか、
蕎麦用語が多くてついにヤブまで出てきて、
面白すぎる。
ここでは、お友達竹中平蔵が豪快に食い込んでいる。
アベは特区制度を、岩盤規制をすべて壊す、
そして経済成長GTP600兆円達成、
世界で最もビジネスのしやすい都市にする、
という風に豪語してきたわけである。
この制度の最大の特徴は、官邸・首相の、
トップダウンで物事が進むことである。

続く
2017年07月23日 | Comments(0) |

バレンボイム2

財団の支援のもと、
パレスチナのヨルダン川西岸地区に、
音楽学校と幼稚園ができる。
バレンボイムは度々パレスチナを訪れ、
音楽によるメッセージを発信し続けた。
(バレンボイムはイスラエルのユダヤ人である。くどい?)
また昨年は画期的な年になった。
ドイツのベルリンに、
バレンボイム・サイード・アカデミーがオープンした。
また「ブーレーズ・ザール」という
コンサートホールが完成する。
バレンボイムとサイードの活動は、
ナチスドイツの首都だったベルリンに、
ユダヤ人とアラブ人の音楽の拠点を作り上げたのである。
このアカデミーは音楽だけでなく、
哲学や文学も学ぶというのが特徴であるという!

さてこの記事に、
バレンボイムのこと、ブーレーズ・ザールの事を、
詳しく語っている日本人が出てくる。
豊田泰久さんという音響設計家である。
私はそういうお仕事があることすら全く知らなかったが、
彼こそこのコンサートホールの音響設計をした人であり、
世界中で多くのホールの設計に関わり、
国際的に有名な方であるらしい。
(日本ではサントリーホール等)
このホールは楕円形をしている。
ここでは曲ごとに演奏家は楽器の位置を動かす。
一つのコンサートの中で、観客は、
オーケストラの正面で、また別の曲では指揮者と向かい合って、
音楽を聴くことになる。
演奏家と観客の距離が近く、互いにコミニュケーションを、
交わしている気持ちになるという。
ホールの設計者はフランク・ゲーリー、
この建築家も無償で設計を引き受けた。
彼が豊田さんをご指名したらしいが、
「私は無償で引き受けている、ギャラについては、
私と同じ、つまり…」という話だったという。

さてバレンボイムはその広範な音楽活動とともに、
常に言葉でも力強いメッセージを発し続けている。
文化や教育がなおざりにされることへの危惧や、
中東の問題について。
パレスチナ問題は、ホロコーストから始まっており、
全ヨーロッパが責任を負うべきであると。

今現在パレスチナはかなりひどい状況である。
イスラエルのやり方の酷さは目に余る。
バレンボイムのようなイスラエル人が、
頑張っているにもかかわらず…
ちなみにバレンボイムはインタビューの際も、
常に葉巻(キューバのコイーバ社製)を手放さない。笑
2017年07月21日 | Comments(2) |

ダニエル・バレンボイムのこと

ダニエル・バレンボイムという音楽家をご存知か?
私はクラシックに甚だ疎いので、
まさに名前を聞いた事があるというレベルであった。
8月号の世界にはこの人の記事があった。
全くびっくりするほどかっこいい人であった。

ピアニストとしての腕前は子どもの時から、
フルトヴェングラーに天才と呼ばれるレベルで、
指揮者としてもマエストロである。
ベルリン国立歌劇場の音楽監督を長く務める。
それに加えて、非常に政治的な活動をしている。
1942年ブエノスアイレスに生まれた、
ロシア系ユダヤ人であり、
その後家族とともにイスラエルに渡る。

彼の(日本人が大嫌いな)「音楽に政治を持ち込む」活動は、
文学者批評家のエドワード・サイードとの友情から始まった。
サイードはパレスチナ人である。
彼と、やはりユダヤ人チョムスキーの友情も有名である。
(大江健三郎との交流も)
比較的若くして死んでしまったが、
彼の残したもの、その影響力は非常に大きい。
私はサイードについてよく知らなかったが、
チョムスキーや大江の本に出てくるので、
これはきっとすごい人だなぁと思っていた。

バレンボイムはこのサイードと、
90年初頭にロンドンで出会った、
二人は中東の問題をただ眺めているだけでなく、
人々をつなぐ事を目指そうと意気投合する。
音楽を通して。
イスラエル、パレスチナ、シリア、エジプト、
政治的な要因で出会うことのなかった人たちを集め、
管弦楽団を組織する。
最初はドイツが舞台となったが、毎年場所を変えて、
ワークショップをし、コンサートを開く。
しかしイスラエルとパレスチナの関係が悪化するなど、
継続は難しかった。
その時スペインから救いの手が差し伸べられる。
これも全く知らなかったが、
スペインのアンダルシア地方は、
中世に、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の、
人達が7世紀間にわたって平和的に共存した、
世界でも稀な土地であるらしい。
この地にはそれを記念する「三つの文化財団」
というものがあり、
ここがサイードたちのプロジェクトの重要性を認め、
毎年セビリアで続けたらどうかと提案してくれる。
2003年にはサイードの死という試練があるが、
これも乗り越え、スペイン政府の支援を受け、
2004年に、セビリアに、
「バレンボイム・サイード財団」が設立される。

続く。
2017年07月21日 | Comments(4) |

世界から袴田さんのこと

このところ世界には、
青柳雄介氏による袴田さんの記事の連載が続いている。
私はこれは本当に読むのが辛い。
今回は袴田さん自身の日記の紹介だけしてみようかと思う。

監獄の庭にある紫陽花が枯れそうであったがこの雨で正気がでるであろう。明日が楽しみだ。私が存在し真理を叫び今日まで生きてこられたのは、誰かの愛があったからだ。そして今現に生きているのも誰かの愛があるからである。もし、人生から愛を根こそぎ取り去ったら、生きるに値する何ものも残らぬ。
(1982年6月14日、獄中日記より)

私は時に思うのだが、監獄の狭い運動場では十分に走れないので、せめて百メートルくらいの距離でよいからめいっぱい走りたいと。
私が自由を勝ち取ったならば最初に叶えるのがこの果てない夢であるに違いない。肩と股で風を切って走る。想像しただけで全身がうずくのである。
(1984年6月18日、獄中日記より)
2017年07月16日 | Comments(0) |
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