「東京とちがって土があるから朝晩はすごしやすいよ」
と聞かされておりましたが、これは真っ赤な嘘でありました。
その日は台風の影響とやらで、1日ジリジリと暑く
いざ寝る段になっても、
布団はさっきまで日に干してあったかのようにぽかぽかで、
これはたまらんと畳の上にころがってみれば
畳もまた鯛焼きのごとく、ほっかほかのあっつあつであった!
夜じゅう苦しんだわたしは、夜も明けようかというころ
無慈悲にも姉にたたき起こされたのでした。
姉は、いましも〈植木鉢避難勧告〉を発令したのでした。
実家の庭にある植木鉢が多いか少ないかは
判断の基準がなくなんとも言えないのですが
彼らの中に自分の足で避難所に移動できるものは
ひとりもおらんということは明らかな事実でありました。
風と小雨の中、植木鉢をもくもくと移動させ、
外付けのすだれの類いを取り外したわたしは
区役所防災課の職員のみなさまのご苦労を
思ったのでありました。
つづく
2010年08月14日
|
Comments(0)
|
未分類