FC2ブログ

苦海浄土6

今日は二つ目の、方言による語りを紹介します。

方言に、古語が残っていることはめずらしくはありませんが、
水俣の言葉もかなり古めかしい。
またごく日常的な話の中にも、敬語がたくさんでてきます。
ものやわらかな敬語が、語りをゆかしいものにしています。
敬語がたくさん出てくるということは、
敬うべきものをたくさん持っているということです。
そのバリエーションの豊富さの中に古代が見えます。

胎児性水俣病の孫、杢太郎(もくたろう)に語る爺さまの語り。

  あの石は、爺やんが網に、沖でかかってこらいた神さ
 んぞ。あんまり人の姿に似とらいたで、護り神さんになっ
 てもらおうと思うて、この家に連れ申してきてすぐ焼酎(おみき)
 ばあげたけん。もう魂の入っとらす。あの石も神さんち思うて拝め。
 爺やんが死ねば、爺やんち思うて拝め。わかるか杢。
 お前やそのよな体して生まれて来たが、魂だけは、そこ
 らわたりの子どもとくらぶれば、天と地のごつお前の魂の
 ほうがずんと深かわい。泣くな杢。爺やんのほうが泣こうごたる。

 
 爺さまは、広げた胡座(あぐら)の中に彼を入れ、彼をゆすった。
 ゆこうかい、のう杢よい。
 御所の浦までや
 樋(ひ)の島までや
 ん、
 爺さまが島までや
 ん、ん
 婆さまが島までや
 ん、ゆこうかい、ん、
 エンジンばかけて
 ゆこうかい
 漕いでゆこうかい
 帆かけてゆこうかい、
 うん、杢
 帆かけてや、うん、
 こんやは、十三夜じゃけん
 帆かけて ゆくか

2012年07月27日 | Comments(2) | 苦海浄土
コメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
  2013年10月28日 16:56:44 編集
Re: No title
鍵コメさま
私も、フーッとため息をつきながら、やっとの思いで読みました。
読もうと思ってくださっただけで、嬉しいです。
苦労して書いたかいがありました。
こんなしょぼいブログですが、ご縁があってきていただき、
それも嬉しいです。
どうぞよろしく。

美味しい店とどういうつながりがあったのでしょうかね。
なつ代 URL 2013年10月28日 17:18:23 編集

管理者だけに表示する

プロフィール

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

ブロとも一覧

フリーエリア

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード