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「食べごしらえおままごと」3

「貧乏、ということは、気位の高い人間のことだとおもいこんでいたのは、父をみてそだったからだと、わたしは思っている。
まったくこの人は、ほんとうにどん底の人だったけれども、卑屈さのかけらもなく、口惜しまぎれの言説というものも吐いたことのない男だった。」

この父さんは、いざという時、居住まいを正してこう名乗りを上げる。
「ようござりやすか。儂ゃあ、天領、天領天草の、ただの水呑み百姓の倅、位も肩書もなか、ただの水呑み百姓の倅で、白石亀太郎という男でござりやす。」
こう名乗りあげ、ひと膝、ふた膝にじり寄ると相手は気を呑まれて降参するという。

また、ほんとうに泣けてくるほど心根の優しい人である。
もう自動的に弱いものに加勢するというような。
また、どんなどん底の生活でも、あまりに堂々としているので、
ちょっと笑いそうにもなる。

石牟礼さんはこの父さんの優しさと、
へこたれなさを受け継いでいるんだろう。
2013年11月22日 | Comments(0) |
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