FC2ブログ

宮澤賢治イーハトヴ学事典3

けんじ3

子どもの私に最も人気がなかったのは、
「土神ときつね」でした。

きれいなかばの木と、彼女に想いを寄せる土神ときつねの
言ってみれば、三角関係のもつれの話です。
物語のおわりには、嫉妬に駆られた土神が発作的に
きつねを殺してしまうのです。

土神もきつねもねっから悪いやつではないのに
どうしてこんな悲惨なことになってしまうのか。
私の中ではずっと怖くて暗いお話でした。

今回はじめて、いいなぁと思いました。
少し引用します。

 土神は大声にわらいました。
 その声はあやしい波になって空のほうへ行きました。
 空へ行った声はまもなくそっちからはねかえって、
 ガサリとかばの木のところにも落ちて行きました。
 かばの木ははっと顔いろをかえて日光に青くすきとおり、
 せわしくせわしくふるえました。

少し表現を変えて、同じ場面がもう一度あります。

ここを読むと、物語の世界が空の方向に向かって
さーっと広がるような気がします。たいへん気持ちがいいです。
美しく透明な物語の舞台の真ん中に
きれいなかばの木がほっそりと立っているのが見えます。
2010年11月18日 | Comments(0) | 宮澤賢治
コメント

管理者だけに表示する

プロフィール

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

ブロとも一覧

フリーエリア

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード