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もう一度「東京ローズ」

「東京ローズ」に戻ったが、
やはりこの本は重い気分になる。

アイバ・戸栗・ダキノは、
関係者が全員が本当のことをいえば、
決して犯罪者になるはずのない人であった。
アメリカ生まれの日系二世で、
明るく聡明なアメリカが大好きな女性であった。
皆がみんな、自分の保身のために、
彼女を陥れていった。
これはアメリカによる有罪ありきの、
絵に描いたような魔女裁判であった。

当初証拠がないことを理由に、
逮捕しない方針だった法務省を、
ラジオ解説者であり、
排日運動に熱心であったジャーナリストの
ウオルター・ウインチェルが、
煽りに煽って、政府の対応を変えさせる。
アイバは一気に反逆者にされ、
トルーマンの人気回復のために、
生贄にされたのである。
あの時のハシモトトオルを思い出させる。
弁護士は皆断り、たった一人引き受けた、
コリンズが唯一の彼女の味方であった。
これも安田弁護士のような人である。
日系人社会も彼女の味方にはならなかった。
皆自分も逮捕されることを恐れたのである。

現在もアイバは国籍を剥奪されたままである。
彼女を信じて裁判費用をすべて持ち、
借金まみれになった父も死んで、
ご丁寧に政府に夫との間を裂かれ、
恩赦のチャンスを潰され続けながら、
アメリカに一人住んでいる。

今はもう亡くなっているかもしれないが…
何というか本当にやり場のない気分になる。
2015年06月29日 | Comments(2) |
コメント
緻密な読書、尊敬。ミーハー他人事な自分、情けないですぅ。それにしても戦後直後のことて謎が多いと思い知った本です。
もりこ URL 2015年06月29日 08:23:22 編集
Re: タイトルなし
要するに私はネクラなんです。
この言い方も最近はあんまり聞かないけど。
すぐに暗くなったり落ち込んだりする。
そのくせまた、そういう本を選んで読むという…
なつ代 URL 2015年06月29日 10:51:29 編集

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