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映画「ノー・ディレクション・ホーム」

ディランの映画「ノー・ディレクション・ホーム」を見る。
ここまでとは思わなかった。
人々は彼を祭り上げ、思い通りにしないと言って責める。
よく生きのびたなぁと。

アメリカの歴史をたどる映画でもある。
ワシントン大行進のキング牧師の演説や、
そこで歌うディラン。
ケネディの暗殺があり、
ベトナムの映像がある。

フォークソングを裏切ったと、
エレキギターを持った彼に、繰り返し繰り返し、
非難のヤジが飛ぶ。
「裏切り者ユダ!」
もちろん彼がユダヤ人であることに重ねて。
えんえんと続くこう言わせたいという記者の質問に、
苛立ち抵抗し続けるディラン。

結局ザバンドがディランを救ったのかと思う。
あのアルバムが出たのは大学生の時。
まだ、ザバンドを名乗っていなかった、
このグループが、おそれずエレキギターで、
大音量でバックを務めた。

中でちらっと広告看板の言葉を、入れ替え組み直し、
意味不明な文章にする言葉遊びにふけるディランが出てくる。
これが私にとって最も好きなシーンかもしれない。
いろんなことを素早く感じ、深く感じ、
言葉と戯れるようにそのままを歌にする。

大変長い映画だがやめることができなかった。
マーティンスコセシに感謝。
2015年04月09日 | Comments(6) | 映画

「セントアンナの奇跡」

「セントアンナの奇跡」という映画を見た。
これも劇場公開の時気になっていたものだが、
今回見て予想以上に面白かった。
第二次大戦中のイタリアが主な舞台だが、
その始まりはアメリカでの一つの殺人である。

アメリカ軍が棄てコマ用に作った、
黒人の兵隊ばかりで編成した部隊があった。
それの生き残りの黒人が犯人である。
彼のイタリアでの体験がこの事件の背景にあった。

とにかく映画を見ても状況がよくわからなかった。
アメリカ兵はドイツとイタリアの敵であるはずなのに、
イタリア人と一緒にドイツと戦っている。
背景を説明してくれる親切なブログのおかげで、
やっといろいろ飲み込めた。
ファシズムに抵抗するパルチザンが、村人にとっては大事。
首に賞金がかかっていても差し出す者はいない。
ドイツに敵対する意味ではアメリカと仲間のはずだが、
アメリカはパルチザンはコミュニストダだという理由で、
これを味方とは見なさない。

姉が昔、「イタリア人はテデスコが嫌いだから」
(テデスコはイタリア語でドイツ人のことである)
というていたのを聞いて、ヒットラーとムッソリーニは、
ファシスト仲間なのに?とちょっと思ったことがある。
この映画と解説ですっかりわかった。

とにかく黒人の兵隊は、
軍の中で白人の上官に徹底的に差別されている。
黒人のいうことは信じられるかと言って、
援軍を頼む通信を無視したりもする!
そんな中で孤立した黒人兵は、
敵国であるはずのイタリア人の村人から、
ごく普通に親切にされ、
母国に居るよりも居心地のいい自由さを初めて味わう。
「イタリアには黒人差別がないのか?」
という言葉も出てくる。
イタリアに差別がないかといえば、そんなことはない。
北の人の南の人への差別はかなり酷いし、
階級差別も歴然とある。
私は住んだわけではないからよくわからないが、
感覚としては、
アングロサクソンや、アーリア系に比べれば、
ラテン系の人たちは少し緩いから、
その分差別感情は弱いように思う。

ドイツ軍は、ソハの地下水道でも出てきたが、
一人殺されたら10人殺すという、
10倍返しの見せしめ処刑をやる。
パルチザンにドイツ兵が殺されるとその十倍のイタリア人を、
問答無用で殺す。
仲間であるはずのドイツ軍に、
殺されたイタリアの民間人は多いのである。

映画の中でも本でもナチスドイツは繰り返し、
悪者として描かれ続けているが、
日本軍とて実は負けてはいないし、
最近は現在の日本がナチスドイツに似ていると、
感じられて仕方が無い…
どっちにしろ近い将来日本が世界で孤立し、
高い代償を払うことになるのは間違いない気がする。
今月末のアベのアメリカ訪問では、
〈嬉しい国賓待遇 ♪〉のバーターとして差し当たって
どこまで差し出すことになるか……
2015年04月05日 | Comments(4) | 映画

「パリ20区僕たちのクラス」2

先生は国語の教師なのだが、
黒板に例文を書くと、早速文句が出る。
「何でいつも白の名前なの?」
白人の名前じゃないのにしろと。
転校生は自己紹介する。
ラップが好きで、人種差別が嫌いと。
元仏領のアフリカから来た子が多いが、
中国人やアラブ系など、母国はいろいろである。
黒人同士で際どく差別語を投げ合う。
最後の方で今年どんなことを勉強した?
という質問にアフリカ系の少女は、
ヨーロッパとアフリカとアメリカの
三角貿易をあげる。
(輸出品と交換でアフリカから奴隷を連れてきて、
アメリカに売るというやつ。)
白い先生に挑戦するかのように。
先生も大変である。マジできれてた。
演技とはとても思えない…笑

フランスにもたっぷり差別はある。
しかし、子どもたちはちゃんと口に出して、
質問したり抗議したりしている。
少なくとも学校の中では。
教員の成績認定会議や退学者の判定会議にさえ、
生徒代表が同席して傍聴しているのには、
ずいぶんびっくりした。
とにかく毎日が戦争のような大騒ぎである。
こういうので鍛えられるんだなぁ。
それと、みんなラップとサッカーが大好きでしたよ。

風刺漫画のあの事件も非常に仕組まれた感がある。
フランスは表現の自由と言いながら、
ムスリムにたいしては冒涜的な風刺を許しているが、
ユダヤ人に関しては決してテーマにしない。
やはりそこには政治的な力が働いていて、
私は無邪気に「Je Suis Charlie」という、
プラカードをあげる気にはならない。
フランスなどの一見リベラルな態度も、
でも結局ここまでね、という免罪符的な自由度で、そういうのが、
変にうまいところがインチキくさい。
ま、やっぱりむずかしいことばっかりやね。
この世は。

予想以上に良かったし、いろいろ考えさせられた。
映画に出てきた子どもたちには、全員に、頑張れよ!と、
声をかけたい気分になった。
2015年03月14日 | Comments(0) | 映画

「パリ20区僕たちのクラス」

「パリ20区僕たちのクラス」を見た。
パリの中学のあるクラスの一年を描いた映画である。
ドキュメンタリーのようなタッチだが、
実話に基づいた原作があり、それの映画化である。
2008年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞している。
映画の原作の「教室へ」の著者で演技は素人の、
フランソワ・ベゴドーが先生役。
パリ20区の中学校から選出された、
演技初経験の15歳の中学生の男女24人が、
生徒の役を演じている。ものすごくリアルである。

差別のことを考えさせられる種が、
衝撃的なほどばら撒かれていた。

20区はパリの東の端で移民の多い地域らしい。
クラスには多種多様な出自の子ども達がいて、
どちらかというと白人は少ない。
私は30年ほど前たった7ヶ月だが、パリに住んだことがある。
住んでいた12区は、20区の隣だが、
多分その当時より移民の数はずっと多いだろう。
若い頃には少しはあったが、今は、
ヨーロッパに憧れる気持ちみたいなものはほとんどない。
特別嫌な目にあったというわけではないが、
日本人はなぜ、白人がこんなに好きなんだろう、
私は嫌いだなぁと思って現在に至っている。
(その気持ちは徐々に重症化している?)
日本が好きかといえば最近はとみにきらいになっているし。
(フランスも大概だが、移民をこれだけ受け入れているのは、
日本よりずっと立派。)

子供たちは一言で言って悪ガキである。
彼らは友だち、学校、社会を相手に日々戦っている。
教室はいつも沸騰している。
そして戦いの種のほとんどには、
底に差別の問題が横たわっている。
2015年03月14日 | Comments(4) | 映画

ゴッドファーザー

これは公開された時に見ているのだが、
すっかり忘れていて、初めてと変わらん感じだった。
ラストタンゴ・イン・パリで見せた、
ちょい不気味テイストに貫禄が加わり、
(老けメイクもあって)
マーロン・ブランドの存在感半端ない。
アル・パチーノのイケメンさんぶりには、
びっくり、殴られたあとの顔もイケメン!

それにしても馬のシーンが怖すぎた。
最高級の嫌がらせの手法として、
可愛がっていた動物を殺すというのはある。
ダイアン・フォッシーのゴリラ、
「黒い丘の上で」にも馬がでてくる。
相手を悲しませるためだけに、
何の罪もない生き物を殺すというのは
本人がバンバンって殺されるより、
もっと怖い感じがする。

全体に破綻がない完成度の高い映画だった。
パートⅡも評判がいいが、見てみるかな。
長いけど。
2015年03月13日 | Comments(0) | 映画
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